“片輪車”の読み方と例文
読み方割合
かたわぐるま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
思うに、まったき名将といわるるには、智勇兼備、水陸両軍に精しく、いずれを不得手、いずれを得手とするが如き、片輪車かたわぐるまではなりますまい
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
薄く掛けた友禅ゆうぜん小夜着こよぎには片輪車かたわぐるまを、浮世らしからぬ恰好かっこうに、染め抜いた。上には半分ほど色づいたつたが一面にいかかる。さみしき模様である。動く気色けしきもない。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こんなことを考えているうちに、例の馬力が魔の車とでも云いそうな響きを立てて、深夜の町をきしって来た。その昔、京の町を過ぎたという片輪車かたわぐるまの怪談を、私は思い出した。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)