くだ)” の例文
くだもの屋の溝板どぶいたの上にはほうり出した砲丸ほうがんのように残り西瓜すいかが青黒く積まれ、飾窓かざりまどの中には出初めのなし葡萄ぶどうが得意の席を占めている。ふとった女の子が床几しょうぎで絵本を見ていた。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
鈴なりのくだものが、枝のしなうばかりにって、草の上にもいくつとなく、もう色づいた木の実がころがって居る、私達はかわがわる杖を振るって、その実でゴルフをやって遊び廻った
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
そこへ娘は前の日と同じ服装で、くだもの鉢と水差しを持って入って来た。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)