“飾窓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かざりまど28.6%
ウインド8.2%
ショーウインド8.2%
ショーウィンドウ4.1%
ショウウィンドウ4.1%
ウインドウ4.1%
ショウウインドウ4.1%
ショーウィンド4.1%
ショーウィンドー4.1%
ショウインドウ2.0%
ショウ・ウインドウ2.0%
ショー・ウィンドー2.0%
ショウウヰンド2.0%
ショオウインド2.0%
ウィンドー2.0%
ウインデ2.0%
ウインドー2.0%
シヤウウインドウ2.0%
ショウウインド2.0%
ショウ・ウィンドウ2.0%
ショーウインドー2.0%
ショーウヰンドウ2.0%
シヨウウインド2.0%
シヨウヰンドウ2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ロンドンの市中は、非常な霧のために、街筋まちすじには街燈が点り、商店の飾窓かざりまど瓦斯ガスの光に輝いて、まるで夜が来たかと思われるようでした。
ある時は飾窓ウインドを覗き乍ら寧ろ往来の邪魔物のやうにノロノロと歩いてみたり、又或時は素敵な敏捷さで人波をグングン追抜いてみたり
群集の人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
これはどこかの洋服屋の飾窓ショーウインドの中に在る蝋人形がそのまま抜け出して来て、ここに立っているのではないか……とあられもない事まで疑った。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
やがて九時になったので藤屋の店員の手で、飾窓ショーウィンドウに富三の首が据えつけられました。人々はそのそばに置かれた富三の写真と見比べて驚嘆の声を発しました。
頭蓋骨の秘密 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
そして、クリスマスの晩、ロンドンの街を歩くんだ。そうすると大きな、玩具屋おもちゃやがあって、そこの飾窓ショウウィンドウに、テッディベアがいるだろう。
街の子 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
浅田写真館よりは大分繁昌しているらしく、飾窓ウインドウの写真にも現代風の令嬢や、瀟洒たる青年の半身姿などが飾ってあった。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
現に二三度は往来へ立ち止まって、近くの飾窓ショウウインドウから、大幅の光がさす中に、しっきりなく飛びまわる紙屑を、じっと透かして見た事もありました。
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
一足々々をしっかり踏んで銀座街の飾窓ショーウィンドから飾窓へと歩いていたのである。
琥珀のパイプ (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
ブラブラとオステル街やオルヒュース街の飾窓ショーウィンドーのぞきながら言葉もなく足を運んでいるうちに、ふと電光いなずまのごとくに嬢の頭にひらめいたものがある。ハッとして歩を停めた。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
イヤさっき向うの飾窓ショウインドウのところに、一人の身体からだの大きな上品な紳士が、一匹のポケット猿を抱いて立ってみていましたがネ。
流線間諜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いつか、なにげなくその中をのぞいたのが癖になって、行き帰りのたびに、かならずいちどはこの飾窓ショウ・ウインドウの前で足をとめる。
その飾窓ショー・ウィンドーそばには、二人連の変な男が、肩と肩とを並べて身動きもせず、こっちをジーッとにらんでいるのが見えた。
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その人波の向うに、何処かの店の飾窓ショウウヰンドに沿つて、ぽつりと歩いて行く洋服を着た男が目についたが、それが、兄らしかつた。よく見てゐるとやつぱり、兄だつたのだ。
イボタの虫 (新字旧仮名) / 中戸川吉二(著)
一本を口にくわえて、燐寸マッチの火を近づけながら窓硝子の上に注目すると、向いの洋菓子店の明るい飾窓ウィンドーがうつっていた。
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
おまけにこっちから「多謝メルシ・ボクウ」と言わなくちゃならないし、飾窓ウインデを叩き割って犬を蹴って、ついでに巡査も蹴って、それから大道にぐっすり寝込んでも
またいわく、仕事は楽で、安全剃刀の広告人形がしきりに身体を動かして剃刀をといでいる恰好が面白いとて飾窓ウインドーに吸いつけられる客があると、出て行って、おいでやす。それだけの芸でこと足りた。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
店々の飾窓シヤウウインドウに、さまざまの光沢と陰影とが入り乱れて息づかひ深く霧が愈ふりそそぐ。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
地下道にある阪神マーケットの飾窓ショウウインドのなかで飾人形のように眠っている男は温かそうだと、ふと見れば、飾窓が一ついている。
世相 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
気がつくと、三造は、何処かの店の飾窓ショウ・ウィンドウの前のてすりにつかまり、硝子ガラスに額を押付けて危く身体を支えながら、半分睡っていたらしい。
狼疾記 (新字新仮名) / 中島敦(著)
向側は露西亜人の食料品店とみえて、ほこりにまみれた缶詰と青物がほんのすこしばかり飾窓ショーウインドーに散らばって、家の横に貼った黄色い紙が、あやうく飛びそうに土けむりにはためいている。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
私は姉が両側の飾窓シヨウウインドの前に立つたり、見世物の看板を眺めながら立つて居たりするのが、憎らしく自烈じれつたくてならなかつた。併し姉をうながして帰らうとするにも行く所がなかつた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
彼女は歩きながら、飾窓シヨウヰンドウに映る自分の姿を見つめた。さうして彼女は、いますれちがつたばかりの二人づれに自分を比較した。ときどき硝子の中の彼女は妙に顏をゆがめてゐた。
聖家族 (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)