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飾窓
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かざりまど
ふりがな文庫
“
飾窓
(
かざりまど
)” の例文
ロンドンの市中は、非常な霧のために、
街筋
(
まちすじ
)
には街燈が点り、商店の
飾窓
(
かざりまど
)
は
瓦斯
(
ガス
)
の光に輝いて、まるで夜が来たかと思われるようでした。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
末男
(
すゑを
)
は
子供
(
こども
)
を
抱
(
だ
)
きながら、まち
子
(
こ
)
と一
所
(
しよ
)
に
銀座
(
ぎんざ
)
の
明
(
あか
)
るい
飾窓
(
かざりまど
)
の
前
(
まへ
)
に
立
(
た
)
つて、
星
(
ほし
)
の
見
(
み
)
える
蒼空
(
あをそら
)
に、すき
透
(
とほ
)
るやうに
見
(
み
)
える
柳
(
やなぎ
)
の
葉
(
は
)
を
見
(
み
)
つめた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
老商はひとりごとをいいながら、黄金メダルを
天秤
(
てんびん
)
の皿からおろし、こんどはそれを店の
飾窓
(
かざりまど
)
の中にあるガラス箱の棚の一つの上にのせた。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
歳暮
(
せいぼ
)
大売出しの楽隊の音、目まぐるしい
仁丹
(
じんたん
)
の広告電燈、クリスマスを祝う杉の葉の
飾
(
かざり
)
、
蜘蛛手
(
くもで
)
に張った万国国旗、
飾窓
(
かざりまど
)
の中のサンタ・クロス
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
街路は清潔に
掃除
(
そうじ
)
されて、
鋪石
(
ほせき
)
がしっとりと露に
濡
(
ぬ
)
れていた。どの商店も
小綺麗
(
こぎれい
)
にさっぱりして、
磨
(
みが
)
いた硝子の
飾窓
(
かざりまど
)
には、様々の珍しい商品が並んでいた。
猫町:散文詩風な小説
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
▼ もっと見る
次郎がその小さな
飾窓
(
かざりまど
)
のまえに立って待っていると、俊亮は間もなく、小さな
蟇口
(
がまぐち
)
を、ぱちんと音をさせながら出て来た。そして、それを次郎に渡しながら
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
プロマイド屋の
飾窓
(
かざりまど
)
に反射する六十燭光の
眩
(
まばゆ
)
い灯。易者の屋台の上にちょぼんと置かれている
提灯
(
ちょうちん
)
の灯。それから橋のたもとの暗がりに出ている螢売の螢火の
瞬
(
またた
)
き……。
アド・バルーン
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
果
(
くだ
)
もの屋の
溝板
(
どぶいた
)
の上には
抛
(
ほう
)
り出した
砲丸
(
ほうがん
)
のように残り
西瓜
(
すいか
)
が青黒く積まれ、
飾窓
(
かざりまど
)
の中には出初めの
梨
(
なし
)
や
葡萄
(
ぶどう
)
が得意の席を占めている。
肥
(
ふと
)
った女の子が
床几
(
しょうぎ
)
で絵本を見ていた。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
すこし
逆上
(
のぼ
)
せる程の日光を浴びながら、店々の
飾窓
(
かざりまど
)
などの前を歩いて、
尾張町
(
おわりちょう
)
まで行った。広い町の片側には、
流行
(
はやり
)
の
衣裳
(
いしょう
)
を着けた
女連
(
おんなれん
)
、若い夫婦、外国の婦人なぞが往ったり来たりしていた。
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
看板も、
飾窓
(
かざりまど
)
も無い。そうして奥の一部屋で熟練のお弟子が二人、ミシンをカタカタと動かしている。北さんは、特定のおとくいさんの洋服だけを作るのだ。名人気質の、わがままな人である。
帰去来
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
蒸
(
む
)
し
暑
(
あつ
)
い或る夜のこと、発明王
金博士
(
きんはかせ
)
は、
袖
(
そで
)
のながい白服に、大きなヘルメットをかぶって、
飾窓
(
かざりまど
)
をのぞきこんでいた。
毒瓦斯発明官:――金博士シリーズ・5――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
白は客の顔を
映
(
うつ
)
している
理髪店
(
りはつてん
)
の鏡を恐れました。
雨上
(
あまあが
)
りの空を映している
往来
(
おうらい
)
の水たまりを恐れました。往来の若葉を映している
飾窓
(
かざりまど
)
の
硝子
(
ガラス
)
を恐れました。
白
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
というのは午後十一時過ぎのように
全
(
まった
)
く遊び専門の人種になり切っていなかった。いくらか
足並
(
あしなみ
)
に余裕を見せている男達も
月賦
(
げっぷ
)
の
衣裳
(
いしょう
)
屋の
飾窓
(
かざりまど
)
に
吸付
(
すいつ
)
いている
退刻
(
ひけ
)
女売子
(
ミジネット
)
の背中へ
廻
(
まわ
)
って行った。
売春婦リゼット
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
スターベア大総督のかけている椅子の前には、映画館の
飾窓
(
かざりまど
)
にスチール写真が縦横に三十枚も四十枚も貼りつけてあるように、さまざまな写真が貼り出してあった。
二、〇〇〇年戦争
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
昨日
(
きのう
)
飾窓
(
かざりまど
)
をのぞきこんだが、金貨の割れたのを、れいれいしく飾ってあった、あのがらくた古物商だ。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
飾
常用漢字
中学
部首:⾷
13画
窓
常用漢字
小6
部首:⽳
11画
“飾”で始まる語句
飾
飾磨
飾電灯
飾紐
飾物
飾棚
飾付
飾台
飾立
飾帶