“痢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
60.0%
くだ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
按ずるに当時が備後地方に行はれて、棠軒の家族は皆これに感染し、三郎が独り先づたふれたのではなからうか。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
翁が臨終りんじゆうの事は江州粟津の義仲寺にのこしたる榎本其角が芭蕉終焉記しゆうえんきに目前視るが如くにしるせり。此記をるに翁いさゝか菌毒きんどくにあたりてとなり、九月晦日より病にふしわづかに十二日にして下泉かせんせり。
三吉あおくなりて、「何、死んだと?」「はいさ、お前様、昨日きのうから腹がくだって、正午過ひるすぎに眼を落しました、誰も葬るものがござらぬで、な、お前さん。」と突然三吉のたもとつかみて
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
赤斑も出れば、痴呆面こけづらにもなる。手足の硬直こわばり譫言うわごと、……米磨汁とぎじるのようなものをくだし、胆汁を吐く。息はまだ通っているのに、脈はまるっきり触れない。……なにもかにも同じなんだ。
顎十郎捕物帳:05 ねずみ (新字新仮名) / 久生十蘭(著)