くだ)” の例文
君なんぞ新聞の社会面のようなくだらない小説ばかり書いている奴には、人間の意志のかがやきなんて一つも判らないんだと彼は罵倒した。
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
くだらねえ話だから俺あとめたんだ。
中山七里 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
私なら遺言なんてくだらない物は書かずに、ムスコとムスメが、お互に掻っさらうために詰めよるのを、いまから愉しげに見て置きたかった。
或時君の妹に何か購いたいがというと、お前におれの妹が買物をして貰うというばかなことがあるか、買物ならおれがしてやるくだらない事をいうなと言って私は叱られた。
或時君の妹に何かいたいがというと、お前におれの妹が買物をして貰うというばかなことがあるか、買物ならおれがしてやる、くだらない事をいうなと言って私は叱られた。
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
それは結局何と永い間生きていたかというくだらないことに過ぎなかった。どの人も今日までついて来た人はいない、どの人にも特にこれという今夜の私をゆすぶっている者はなかった。
小説家という者はつねに好い気な人間であって、時に屡々しばしばこれは面白いと勘違いをしてくだらない事を長々と書くあやまちを何時も繰り返していて、それにとっ掴まると、まんまとやり損うのである。
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)