くだ)” の例文
「吐くくだすで、げっそり痩せているから、嘘じゃないでしょう。妹のおそでが、枕元に付きっ切りで介抱だ」
酒屋さかやにたゞすと、「ときさかさにして、ぐん/\おりなさい、うするとあわちますよ、へい。」とつたものである。十日とをかはらくださなかつたのは僥倖げうかうひたい——いまはひらけた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それを買う人びとも品がよくてあたいやすいのを内々不思議に思っていたのであるが、さてその正体があらわれると、その油を食用にきょうした者はみなわずらい付いて、俄かに吐いたりくだしたりした。
若殿わかとの樣には去廿三日晝九ツ時より御くだしにて、晝の内十二度夜二十五度位の儀にて、八ツ時終に御卒去被遊候段、我々式は翌朝承候位にて、殘念如何とも申樣のあるものにて無御座候。
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
くだすで、げつそり痩せてゐるから、嘘ぢやないでせう。妹のお袖が、枕元に附きつ切りで介抱だ」
熱いつゆ下腹したばらへ、たらたらとみたところから、一睡ひとねむりして目が覚めると、きやきや痛み出して、やがて吐くやら、くだすやら、尾籠びろうなお話だが七顛八倒しちてんはっとうよくも生きていられた事と、今でも思うです。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)