くだ)” の例文
「小野派一刀流五点の二位、下段より仕掛け隙を見て肩へ来るを鍔元競り合い、体当りでくだき後は自由、絶妙剣と申しそうろう!」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その明くる朝は起きた時からあいにく空にが見えた。しかも風さえ高く吹いて例の防波堤ぼうはていくだける波の音がすさまじく聞え出した。欄干らんかんって眺めると、白い煙が濛々もうもうと岸一面を立てめた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)