こう)” の例文
ふゆへかけてのたびは、はげしい北風きたかぜこうしてすすまなければならなかった。としとったがんは、みんなをれているという責任せきにんかんじていました。
がん (新字新仮名) / 小川未明(著)
当時とうじ幕府の進歩派小栗上野介おぐりこうずけのすけはいのごときは仏蘭西フランスに結びその力をりて以て幕府統一のまつりごとをなさんとほっし、薩長さっちょうは英国にりてこれにこうたがい掎角きかくいきおいをなせり。
千代子は夫の説明を聞いても、怖いもの見たさの奇妙な誘惑にこうし難くて、ふたたび三度みたび、この廣介のいたずら半分のレンズ装置を、覗き直して見ないではいられませんでした。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
出して貰う仕儀しぎに成るかも知れぬとこう思ッた者ですから是が段々とこうじて来てついに殺して仕舞う心にも成りがな隙がな藻西太郎に説附ときつけて到頭彼れに同意させはては手ずから短刀を
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
この人は幕府の末年に勝氏と意見をことにし、くまでも徳川の政府を維持いじせんとして力をつくし、政府の軍艦数艘すうそうひきいて箱館はこだて脱走だっそうし、西軍にこうして奮戦ふんせんしたれども、ついにきゅうして降参こうさんしたる者なり。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
武田たけだは、先生せんせい権幕けんまくこうしがたいとると、自分じぶんからせきて、先生せんせいのいられる教壇きょうだんまえへきてちました。先生せんせい
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
戦争中国内の有様ありさまさっすれば所在しょざい不平士族ふへいしぞくは日夜、けんして官軍のいきおい、利ならずと見るときは蹶起けっきただちに政府にこうせんとし、すでにその用意ようい着手ちゃくしゅしたるものもあり。