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三紋
お柳の
装は南部の藍の
子持縞の袷に黒の
唐繻子の帯に、
極微塵の
小紋縮緬の
三紋の羽織を着て、水の
滴るような
鼈甲の
櫛笄をさして居ります。
黒一楽の
三紋付けたる
綿入羽織の
衣紋を直して、彼は
機嫌好く
火鉢の
傍に歩み寄る時、直道は
漸く
面を
抗げて礼を
作せり。
母親が
徹夜して縫ってくれた
木綿の
三紋の羽織に新調のメリンスの
兵児帯、車夫は色のあせた
毛布を
袴の上にかけて、
梶棒を上げた。なんとなく胸がおどった。