“恋々”のいろいろな読み方と例文
旧字:戀々
読み方割合
れんれん88.0%
れん/\12.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
名利みょうり恋々れんれんたるのではないが、彼も一族の族長だ。乱世らんせ権化ごんげみたいな熱血そのもののやからも多くかかえている。弟正季まさすえがしかりである。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二千年の昔から不意に呼び出された影の、恋々れんれんと遠のくあとを追うて、小野さんの心は杳窕ようちょうの境にいざなわれて、二千年のかなたに引き寄せらるる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼は折々山の上から西坂本の空を眺めて恋々れん/\としたこともあり、足が知らず識らずその方へ向きかけたこともあったが、いつも自分で自分を制して
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
此人の乱行らんぎやうの一ツをいはば、叔父をぢたる大納言国経卿くにつねきやう年老としおい叔母をばたる北の方は年若く業平なりひら孫女まごむすめにて絶世ぜつせい美人びじんなり。時平是に恋々れん/\す、夫人ふじんもまたをつとおいたるをきらふの心あり。