“れんれん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
恋々75.9%
漣々10.3%
恋恋3.4%
憐々3.4%
瀲々3.4%
連々3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二千年の昔から不意に呼び出された影の、恋々れんれんと遠のくあとを追うて、小野さんの心は杳窕ようちょうの境にいざなわれて、二千年のかなたに引き寄せらるる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
の紙の冠をつかみ取りて、引破りて地になげうち、漣々れんれんたる涙をとどめもあえず、何たる御房ぞや、尊くも仏弟子となりたまいながら、祓戸の神の忌みたまうとて如来の忌みたまうことを忘れて
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そのかわりにわか和尚おしょうに頼んで手紙を夫人のもとへ送り、その返書を得て朝晩にそれを読みながら、わずかに恋恋れんれんじょうを慰めていた。
悪僧 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
鈴慕れいぼきょくつまを恋う女鹿めじかの想いを憐々れんれん竹枝ちくしのほそい孔から聞くような鈴慕の哀譜であった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
するとは如何に、眼の前は茫々漠々ぼうぼうばくばくとして何一ツ見えず、イヤ何一ツ見えないのでは無い、唯是れ漫々洋々として、大河だいがの如く大湖の如く大海だいかいの如く、漪々いいたり瀲々れんれんたり、汪々おうおうたり滔々とうとうたり
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
まだ本当に正気には返らないで、昏倒こんとうからめかかった瞬間の心持は、連々れんれんとして蜜のように甘い。
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)