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れん/\
此人の
乱行の一ツを
言ば、
叔父たる大納言
国経卿は
年老、
叔母たる北の方は年若く
業平の
孫女にて
絶世の
美人なり。時平是に
恋々す、
夫人もまた
夫の
老たるを
嫌ふの心あり。
船が
下流に
落ちると、
暮雲岸を
籠めて
水天一色、
江波渺茫、
遠く
蘆が
靡けば、
戀々として
鷺が
佇み、
近く
波が
動けば、アヽ
鱸か?
鵜が
躍つた。
戀々として、
彽徊し、
漸くにして
里に
下れば、
屋根、
廂、
時雨の
晴間を、ちら/\と
晝灯す
小き
蟲あり、
小橋の
稚子等の
唄ふを
聞け。(おほわた)
來い、
來い、まゝ
食はしよ。