漣々れんれん)” の例文
同時に、湖面の一点に、ざんぶと音がして、そのあたり一面に水煙が立ったかと見ると、漣々れんれんとして、そこに波紋が、韓紅からくれないになってゆく異様の現象が起りました。
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
の紙の冠をつかみ取りて、引破りて地になげうち、漣々れんれんたる涙をとどめもあえず、何たる御房ぞや、尊くも仏弟子となりたまいながら、祓戸の神の忌みたまうとて如来の忌みたまうことを忘れて
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
泣血漣々れんれんとして、思う所をつくあたわざるなり。頑児矩方、泣血拝白。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)