“漣漪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さざなみ66.7%
れんい33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
少女の面を絶えず漣漪さざなみのように起こっては消える微笑を眺めながら堯はそう思った。彼女が鼻をかむようにして拭きとっているのは何か。
冬の日 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
鳥島と裏浜とはあひること僅に数町にすぎず、そのあひだ漣漪さざなみつねに穏かなり、かつ遠浅なれば最も海水浴に適す。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
から/\と引き出せば後にまた御機嫌ようの声々あまり悪からぬものなり。見返る門柳監獄の壁にかくれて流れる水に漣漪れんい動く。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
模様があまり細か過ぎるので一寸ちょっと見ると只不規則の漣漪れんいが、はだに答えぬ程の微風に、数え難きしわを寄する如くである。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)