“恋中”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こいなか50.0%
こひなか50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
親というものは馬鹿なもので、流石の伯父さんも、富美子さんと服部君とがとうから恋中こいなかだったことに気づかなかったのだよ。
黒手組 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
一方には元の恋中こいなかの女が独身でいて、しかもどうやら自分の様子に注意しているらしく思われる境涯、年若な省作にはあまりに複雑すぎた位置である。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
おこたり無く偵察ていさつしてゐると、丁度将門の雑人ざふにん支部はせつかべ子春丸といふものがあつて、常陸の石田の民家に恋中こひなかの女をもつて居るので、時〻其許へ通ふことを聞出した。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
稽古本けいこぼんを広げたきり小机こづくゑを中にして此方こなたには三十前後の商人らしい男が中音ちゆうおんで、「そりやなにはしやんす、今さら兄よ妹とふにはれぬ恋中こひなかは………。」と「小稲半兵衛こいなはんべゑ」の道行みちゆきを語る。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)