“こいなか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
恋中75.0%
恋仲25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
稽古本けいこぼんを広げたきりの小机を中にして此方こなたには三十前後の商人らしい男が中音ちゅうおんで、「そりや何をいはしやんす、今さら兄よいもうとといふにいはれぬ恋中こいなかは……。」と「小稲半兵衛こいなはんべえ」の道行みちゆきを語る。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
爾来じらいことにおとよに同情を寄せたお千代は、実は相談などいうことは第二で、あまり農事の忙しくならないうちに、玉の緒かけての恋中こいなかに、長閑のどかな一夜の睦言むつごとを遂げさせたい親切にほかならぬ。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
えず黙許もっきょの形にしておいたと見えるかくして主従とも相弟子とも恋仲こいなかともつかぬ曖昧あいまいな状態が二三年つづいた後春琴二十歳の時春松検校が死去したのを機会に独立して師匠の看板を
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)