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ちかづき
ふりがな文庫
“
知己
(
ちかづき
)” の例文
女の戸を、からりと出たのは、蝶吉で、仲之町からどこにか住替えようとして、しばらくこの近所にある
知己
(
ちかづき
)
の
口入宿
(
くちいれやど
)
に遊んでいた。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
勿々
(
なか/\
)
世話にも
成難
(
なりがた
)
く如何はせんと思ひし
折柄
(
をりから
)
竹本君太夫と云ふ
淨瑠璃語
(
じやうるりかた
)
り金七が
上方
(
かみがた
)
に在りし頃よりの
知己
(
ちかづき
)
にて火事見舞に來りしを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「御親切に対する御礼は、
妾
(
わたくし
)
から、致さうと存じてをりますけれど、これはホンのお
知己
(
ちかづき
)
になつたお印に差し上げますのよ。」
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
父も二人を並べて置いて順々に自分で
介錯
(
かいしゃく
)
をする気であった。ところが母が
生憎
(
あいにく
)
祭で
知己
(
ちかづき
)
の
家
(
うち
)
へ呼ばれて留守である。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
志「いや、
此
(
これ
)
は僕の
真
(
しん
)
の
知己
(
ちかづき
)
にて、竹馬の友と申しても
宜
(
よろ
)
しい位なもので、御遠慮には及びませぬ、
何卒
(
どうぞ
)
ちょっと嬢様にお目にかゝりたくって参りました」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
ふびんなリツプは、何んにも悪意は
挾
(
さしはさ
)
まず、唯だ何時も此処に来る、近処の
知己
(
ちかづき
)
を捜しに来たと答へました。
新浦島
(新字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
女同士は
夙
(
はや
)
くからの
知己
(
ちかづき
)
ではあつたが、亭主のキチン氏と貴婦人とはまだ一度も会つた事が無かつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
此時
(
このとき
)
フと
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
したのはお
絹
(
きぬ
)
のことである、お
絹
(
きぬ
)
、お
絹
(
きぬ
)
、
君
(
きみ
)
は
未
(
ま
)
だ
此名
(
このな
)
にはお
知己
(
ちかづき
)
でないだらう。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
其中
(
そのうち
)
に或人が其は既に文壇で名を成した
誰
(
たれ
)
かに
知己
(
ちかづき
)
になって、其人の手を経て持込むが
好
(
い
)
いと教えて呉れたので、成程と思って、早速
手蔓
(
てづる
)
を求めて某大家の門を叩いた。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「太夫様が、
知己
(
ちかづき
)
のない方に、そう
容易
(
たやす
)
くお目にかかるものかいな、出直しておいでなされ」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
モ一つには、その二人が自分の紹介も待たずして
知己
(
ちかづき
)
になつたのが、訳もなく不愉快なのだ。
秘
(
かく
)
して置いた物を
他人
(
ひと
)
に勝手に見られた様な感じが、信吾の心を焦立せてゐる。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
久保田君が「朝顏」を書き、自分が「山の手の子」を書いた頃から
知己
(
ちかづき
)
になつたのだ。
貝殻追放:015 「末枯」の作者
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
種彦は
知己
(
ちかづき
)
の多い廓の事とて適当の人を頼んで
身請
(
みうけ
)
や何かの事は
追
(
おっ
)
ての相談に
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ハア
知己
(
ちかづき
)
といふでもございませねど、兄の家へ時々いらつしやるものですから、お眼にかかつた事はありますの、ちよつと見るとにやけな風の方で、大変気取つてるやうに見へますけれど
当世二人娘
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
その家の人達もやはり別莊へ行ってますんですが、そこでひとつ折入ってお願いと申すのは甚だ不躾ながらあなたに、その一家の人達とお
知己
(
ちかづき
)
を願いましたら、じつに光榮至極に存ずる次第なんです。
永遠の夫
(旧字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
これ古服は黒し、
俺
(
おれ
)
は旅まわりの烏天狗で、まだいずれへも
知己
(
ちかづき
)
にはならないけれど、いや、
何国
(
いずこ
)
の
果
(
はて
)
にも、魔の
悪戯
(
いたずら
)
はあると見える。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「御親切に対する御礼は、
妾
(
わたくし
)
から、致そうと存じておりますけれど、これはホンのお
知己
(
ちかづき
)
になったお印に差し上げますのよ。」
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
所が
母
(
はゝ
)
が生憎
祭
(
まつり
)
で
知己
(
ちかづき
)
の
家
(
うち
)
へ
呼
(
よ
)
ばれて留守である。父は
二人
(
ふたり
)
に切腹をさせる前、もう一遍
母
(
はゝ
)
に
逢
(
あ
)
はしてやりたいと云ふ人情から、すぐ
母
(
はゝ
)
を迎にやつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
も
取
(
とり
)
其上彦兵衞より
請取
(
うけとり
)
し金もあれば不自由なく
消光
(
くらす
)
に
付
(
つけ
)
本夫
(
をつと
)
の
開運
(
かいうん
)
をぞ祈りける偖彦兵衞は江戸の
知己
(
ちかづき
)
を
便
(
たよ
)
りて橋本町一丁目の
裏店
(
うらだな
)
を
借
(
かり
)
元來
(
ぐわんらい
)
覺
(
おぼ
)
えたる小間物を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お屋敷奉公は出来ないという
処
(
とこ
)
から、お
上
(
かみ
)
へ願ってお
聞済
(
きゝずみ
)
になり、名主様のお口入れでありまして、年頃もよし、おえいは江戸表からの
知己
(
ちかづき
)
でもあり、丁度宜しいから
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この年増の女、お銀様にはまだ
知己
(
ちかづき
)
のない人でしたけれども、これはお君のもとの太夫元、女軽業の親方のお
角
(
かく
)
であります。ここでムク犬が、お銀様とお角とを引合せる役目をつとめました。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
なぜツてね、別に躰した訳もないんだがね、旦那様があれの親にお世話、いゑ何ね、世話になんぞおなりあそばしやあしないんだけれど、同じ国でお
知己
(
ちかづき
)
であつたもんだから、それでよんどころなく、めんどうを
誰が罪
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
「怪我ぐらいはするだろうよ。……
知己
(
ちかづき
)
でもない君のような
別嬪
(
べっぴん
)
と、こんな処で
対向
(
さしむか
)
いで話をするようなまわり合せじゃあ。……」
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
殊に近頃になつて、所謂政界の名士達なるものと、お
知己
(
ちかづき
)
になるに従つて、大抵の方には、殆ど愛想を
尽
(
つか
)
してしまひました。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
留守
(
るす
)
では仕方がない。どうしたものだろうと思って、石の上に
佇
(
たた
)
ずんで首を
傾
(
かたぶ
)
けているところへ、
後
(
うしろ
)
に足音がするようだからふり向くと、
先刻
(
さっき
)
鉄嶺丸で
知己
(
ちかづき
)
になった沼田さんである。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ば知らぬ者なりと申せしが其後に至り三次は
知己
(
ちかづき
)
の趣きに申立る等
前後
(
ぜんご
)
不都合
(
ふつがふ
)
なり且此程より
追々
(
おひ/\
)
取調
(
とりしら
)
べる通り八ヶ年以前に弟十兵衞を
芝
(
しば
)
札
(
ふだ
)
の
辻
(
つじ
)
に於て
殺害
(
せつがい
)
に及び
姪
(
めひ
)
の文を賣たる金子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
今日は天気も
宜
(
よろ
)
しければ亀井戸の
臥竜梅
(
がりょうばい
)
へ出掛け、その帰るさに僕の
知己
(
ちかづき
)
飯島平左衞門の別荘へ立寄りましょう、いえサ君は一体内気で入らっしゃるから婦女子にお心掛けなさいませんが
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「あれは易者を看板にしているが本当は易者じゃねえんだ、もとは水戸の
士
(
さむらい
)
よ。御三家の侍だから、こちとらとは格が違わあ。それで本名が山崎譲、うちの旦那の神尾様とは前からのお
知己
(
ちかづき
)
だ」
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と言うのは、このごろ忙しさに、
不沙汰
(
ぶさた
)
はしているが、
知己
(
ちかづき
)
も知己、しかもその婚礼の席に
列
(
つらな
)
った、
従弟
(
いとこ
)
の細君にそっくりで。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
殊
(
こと
)
に近頃になって、
所謂
(
いわゆる
)
政界の名士達なるものと、お
知己
(
ちかづき
)
になるに従って、大抵の方には、
殆
(
ほとん
)
ど愛想を
尽
(
つか
)
してしまいました。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
角「黙れ、早く
往
(
ゆ
)
かぬか、何時までも兎や斯う無礼のことを申すか、
苟
(
かりそ
)
めにも殿様のお側近くを勤むる身の上で、炭屋の下男に
知己
(
ちかづき
)
は持たん、ぐず/\して
居
(
お
)
ると障子越に槍玉に揚げるぞ」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
撫順
(
ぶじゅん
)
は石炭の出る所である。そこの
坑長
(
こうちょう
)
を松田さんと云って、橋本が満洲に来る時、船中で
知己
(
ちかづき
)
になったとかで、その折の勧誘通り
明日
(
あす
)
行くと云う電報を打った。汽車に乗ると西洋人が二人いた。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
えゝ、
一寸
(
ちよいと
)
お
引合
(
ひきあ
)
はせ
申
(
まを
)
しまする。
此
(
この
)
男
(
をとこ
)
が
其
(
そ
)
の、
明日
(
みやうにち
)
双六谷
(
すごろくだに
)
の
途中
(
とちゆう
)
まで
御案内
(
ごあんない
)
しまするで。さあ、
主
(
ぬし
)
、お
知己
(
ちかづき
)
に
成
(
な
)
つて
置
(
お
)
けや。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「それぢや、是非湯河原へお泊りなさい。折角お
知己
(
ちかづき
)
になつたのですから、ゆつくりお話したいと思ひます。」
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
何時
(
いつ
)
も御無事で、此の人は僕の
知己
(
ちかづき
)
にて萩原新三郎と申します
独身者
(
ひとりもの
)
でございますが、お近づきの
為
(
た
)
め
一寸
(
ちょっと
)
お
盃
(
さかづき
)
を頂戴いたさせましょう、おや何だかこれでは御婚礼の
三々九度
(
さかづき
)
のようでございます
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今じゃ
知己
(
ちかづき
)
だから恐しいとも思わぬわい。おい、おらあ、一番表へ廻って見て来るから、一所に来い。といえども一人として応ずる者無し。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「それじゃ、是非湯河原へお泊りなさい。折角お
知己
(
ちかづき
)
になったのですから、ゆっくりお話したいと思います。」
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
以前早瀬氏が東京で
或
(
ある
)
学校に講師だった、そこで
知己
(
ちかづき
)
の小使が、便って来たものだそうだが、
俳優
(
やくしゃ
)
の声色が上手で落語も
行
(
や
)
る。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いきなり鋳掛屋が話したでは、ちと
唐突
(
だしぬけ
)
に過ぎる。
知己
(
ちかづき
)
になってこの話を聞いた場所と、そのいきさつをちょっと
申陳
(
もうしの
)
べる。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
否
(
いゝえ
)
、お
知己
(
ちかづき
)
でも、お
見知越
(
みしりごし
)
のものでもありません。
眞個
(
まつたく
)
唯今
(
たゞいま
)
行違
(
ゆきちが
)
ひましたばかり……ですから
失禮
(
しつれい
)
なんですけれども。」
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
風呂敷包を腰につけて、草履
穿
(
ば
)
きで裾をからげた、杖を
突張
(
つッぱ
)
った、
白髪
(
しらが
)
の婆さんの、お前さんとは
知己
(
ちかづき
)
と見えるのが、向うから声をかけたっけ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やがて、
知己
(
ちかづき
)
になって知れたが、都合あって、
飛騨
(
ひだ
)
の山の中の郵便局へ転任となって、その任に
趣
(
おもむ
)
く途中だと云う。——それにいささか
疑
(
うたがい
)
はない。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と思い返して
傍
(
そば
)
に寄り、倒れし男の面体を月影にてよく見れば、かねて
知己
(
ちかづき
)
なる八蔵の歯を
喰切
(
くいしば
)
りて
呼吸
(
いき
)
絶えたるなり。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
こう、お
前
(
めえ
)
一ツ
内端
(
うちわ
)
じゃあねえか、
知己
(
ちかづき
)
だろう、暴れてくれるなって頼みねえ、どうもしやあしねえやな。そして乗られなかったら
曳
(
ひ
)
いて行くさ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と別に何の
知己
(
ちかづき
)
でもない女に、言葉を交わすのを、不思議とも思わないで、こうして二言三言、云う
中
(
うち
)
にも、つい、さしかけられたままで
五足六足
(
いつあしむあし
)
。
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
他
(
ほか
)
に相談相手といってはなし、交番へ届けまして助けて頂きますわけのものではなし、また親類のものでも
知己
(
ちかづき
)
でも
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
前様
(
さん
)
は何しに来たのだ。問われて
醜顔
(
むくつけ
)
き巌丈男の声ばかり悪優しく。「へいへい、お邪魔様申します。ちとお
見舞
(
みめえ
)
に
罷出
(
つんで
)
たんで。「
知己
(
ちかづき
)
のお方かね。 ...
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もっとも
私
(
てまえ
)
もまた、床屋の職人というのが、直ぐに気になったから、床屋の職人?
知己
(
ちかづき
)
か、といって尋ねたんで。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ちょうど、そこに立って、電車を待合わせていたのが、
舟崎
(
ふなざき
)
という私の
知己
(
ちかづき
)
——それから聞いたのをここに記す。
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この紙表紙の筆について、お嬢さんが、貸本屋として、先生と
知己
(
ちかづき
)
のいわれを聞いたことはいうまでもなかろう。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“知己”の意味
《名詞》
知己(ちき)
自分のことをよく理解してくれる人。
知人。知り合い。
(出典:Wiktionary)
知
常用漢字
小2
部首:⽮
8画
己
常用漢字
小6
部首:⼰
3画
“知己”で始まる語句
知己人
知己料
知己等
知己朋友