“しるべ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
知辺39.0%
知己29.3%
知邊6.1%
知人6.1%
4.9%
案内3.7%
知音2.4%
嚮導2.4%
便宜1.2%
先達1.2%
案内者1.2%
1.2%
縁辺1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
七宝寺に戻って、以前からの知辺しるべといえば、やはり誰よりもおばばとが濃い仲だった。そのおばばはまた、朝晩に七宝寺を見舞って
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
でも、父の弥右衛門やえもんだの、知己しるべの人たちが、産湯うぶゆから上げて、お襁褓むつのうえへ転がしてみると、突然、呱々ここの声をあげた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此日は、源助が半月に餘る旅から歸つたので、それ/″\手土産を持つて知邊しるべの家を𢌞らなければならぬから、お吉は家が明けられぬと言つて、見物は明日に決つた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
お菊は矢張やはり長光寺に葬った。親戚や知人しるべを集めて、この娘の為には粗末ながら儀式めいたことをした。狭い墓地には二人の子供がこんな風に並んだ。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
かつはまた高砂石見せまいらするしるべせんとて川中に下り立ち水に浸りなどせんは病をくおそれもあれば、何人かあえて案内しまいらせん、ましてその路に当りて仮の病院の建てられつれば
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
かまのやうな新月しんげつ物凄ものすご下界げかいてらしてたが、勿論もちろんみち案内しるべとなるほどあかるくはない、くわふるに此邊このへんみちいよ/\けわしく、とがつた岩角いはかどわだかま無限むげん行方ゆくてよこたはつてるので
つけしやうゆゑ江戸おもてへも注進ちうしんありしは必定なり然樣の所へ空然々々うか/\と行見付られなば一大事我は泉州せんしうさかひに少々知音しるべ有により彼方へ尋ね行身の落付を定めんと覺悟かくごなし我は三井寺を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
嚮導しるべすべき人を得んと先ず観音堂を索むるに、見渡す限りそれかと覚しきものも見えねばいささか心惑う折から、寒月子は岨道を遥かに上り行きて、ここに堂あり堂ありと叫ぶ。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
迂濶うかつに叫ぶと、その声を便宜しるべ何処どこからか岩石を投落なげおとされる危険をおそれたからである。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
我等は煮らるゝものゝ高く叫べる紅の煮の岸に沿ひ、このたのもしき先達しるべと共に進めり 一〇〇—一〇二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
彼方かなた此方こなたとをはかくらべてしかして知らむ、わが天上の案内者しるべの命に從ふことのいかばかり我に樂しかりしやを 二二—二四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「野辺地さんのしるべ辺の者ですが。」
おじさんの話 (新字新仮名) / 小山清(著)
それなる男はいささかの縁辺しるべ、最近我が家の寄宿者かかりうどとなり、我等養い居りましたるところ、わずかのことよりたった今し方、われらが父庄右衛門を殺し、ご覧のとおり妹を誘拐かどわか
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)