“みより”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
親戚33.3%
身寄22.2%
親類12.7%
親族9.5%
縁辺3.2%
親縁3.2%
身縁3.2%
近親3.2%
姻戚1.6%
同族1.6%
知己1.6%
縁者1.6%
縁邊1.6%
縁類1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それで代々、親戚みよりの者とばかり、婿取り嫁取りをしていたのだそうな。身分や財産しんしょうが釣り合うように、親戚をたくさん増やさないようにとねえ。
鸚鵡蔵代首伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「あの人は身寄みよりもなくて寂しく暮していられるのだから、あなたが一緒になって、世話をして上げたらどうか」とのことでした。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
老爺さんが得意になると、今まで冷笑していた親類みよりのものが手伝い志願を申出た。自分たちも損をしただけ取りかえそうという、御直参旗本の当主や子や孫である。
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
鰥寡かんか孤独の人間で親族みよりもなければ妻もない。毎夜夜半まで官舎の古びた机に倚って孤影凝然と犯罪学クリノロジイの研究に従っている、いわば検察のためにこの世に生れて来たような人物。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
二つの骸骨の縁辺みよりなのか、秘密を知っていて強請ゆすりに来たものか、その辺ハッキリ解りません。素ばしっこく逃げてしまいましてね、その後行方ゆくえが解らないのです。……どっちみち私は田舎は嫌いだ。
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
加賀野新小路の親縁みよりの家では、市役所の衛生係なる伯父が出勤の後で、痩せこけた伯母の出して呉れた麦煎餅は、昨日の雨の香を留めたのであらう、少なからず湿々じめじめして居た。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
親子はやむをえずそれを畳んで、郊外近くに住んでいる或身縁みよりを頼りに、ずっと辺鄙へんぴな所へ引越した。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
日本には伝言を頼むような近親みよりさえない身だというような事を聞くたびに、葉子は泣き出しそうな顔をして合点合点していたが、しまいには木村の止めるのも聞かず寝床から起き上がって
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
勘次かんじ近所きんじよ姻戚みよりとのほかには一ぱんさなかつたがそれでもむらのものはみなせんづゝつてくやみにた。さうしてさつさとかへつてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
勘次かんじころからおしなのいふなりにるのであつた。二人ふたりとほくはけないので、隣村となりむら知合しりあひとうじた。兩方りやうはう姻戚みよりさわした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
おおムルタックよ、曾てお前がドルイドであった為、また、お前の異教の同族みよりが悔い改めないで殺されるのをお前が見るのをいやがっていた為に、私はお前をわが兄弟たちの中の最劣等者と見ていた。
海豹 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
最初はご上人様の知己みよりの多い、奈良へでもということでございましたが、意外に捕吏の追求が烈しいので、薩摩へということになったのでございます。
犬神娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
棲む人達は子供等は、街上に見えず、僕に一人の縁者みよりなく、風信機かざみの上の空の色、時々見るのが仕事であつた。
醫者が患者の縁邊みよりの者を別室に呼んで話す時のやうな、事務的な調子だつた。
我等の一団と彼 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
屋敷へ知らせていか悪いか知れません、と云って何時まで斯う遣っても置かれないと云うので、直ぐに白金台町しろかねだいまち高野寺こうやでらへ頼み、仙太郎の縁類みよりの積りにして葬式も立派に致しましたから