近親みより)” の例文
それが不圖ふとしたことからある近親みよりの人の眼を患つて肥前小濱をはま湯治場たうぢばに滯留してゐた頃、母と乳母とあかんぼとはるばる船から海を渡つて見舞に行つた當時の出來事だということがわかつた。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
日本には伝言を頼むような近親みよりさえない身だというような事を聞くたびに、葉子は泣き出しそうな顔をして合点合点していたが、しまいには木村の止めるのも聞かず寝床から起き上がって
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)