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しりあい
ふりがな文庫
“
相識
(
しりあい
)” の例文
この下宿さがし——小野さんと私たちが
相識
(
しりあい
)
になったのは、その「下宿探し」という楽しい企業に関する一つの妙ないきさつからだった。
踊る地平線:03 黄と白の群像
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
そして、近くの
九老僧
(
くろうそう
)
のそばに住んでいる、
庄之助
(
しょうのすけ
)
さんという
相識
(
しりあい
)
の百姓を教えてくれて、そこへ寄ってゆっくり休むようにと、添書までつけてくれた。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
榊なら、それから忘れずにいる
旧
(
ふる
)
い
相識
(
しりあい
)
の間柄である。唯、正太と一緒に来たのが、不思議に三吉には思えた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ドイツの密偵部の人には、かなり
相識
(
しりあい
)
もございますけれど、
良人
(
おっと
)
は英国士官でしたし、いまあたくしのお友達の大部分は、連合軍の主要な地位の方々でございます。
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
深川の顔役で
香具師
(
やし
)
のほうもやっている木場の甚てえ親分とな、ちょっくらほかのかかり合いで
相識
(
しりあい
)
になったのだが、この
仁
(
ひと
)
がいってすすめてくださるのだ。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
岡見を通し、書いたものを通し、既に
相識
(
しりあい
)
の間柄のような市川は極く打解けた調子で捨吉を迎えてくれた。この人は捨吉の周囲にある友達の誰よりも若かった。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
心当りと言っても、別に子供の立ち寄るような
相識
(
しりあい
)
もない一本道である。
双面獣
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
私は
経師屋
(
きょうじや
)
の恒さんと
相識
(
しりあい
)
になったが、恒さんの祖父なる人がまだ生きていて、
湘南
(
しょうなん
)
のある町の寺に間借りの楽隠居をしていると知ったので、だんだん聞いてみると
早耳三次捕物聞書:01 霙橋辻斬夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
自分の生れるまえから
相識
(
しりあい
)
のような、なつかしいものに思われる顔だった。痩形の若い男だった。
あの顔
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「神田の伯母んとこでの
相識
(
しりあい
)
だから親分も彦も知るめえが、今そこでその小太郎に遭ったんだ。」
釘抜藤吉捕物覚書:04 槍祭夏の夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
とお多喜は、まるで
相識
(
しりあい
)
の人に話しかけるような
心易
(
こころやす
)
い言葉で、八幡様に向い、なおも口の中で
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「人聞きが悪いじゃあありませんか。何かわたしに、まともに来られない男の
相識
(
しりあい
)
でもあるようで——誰でしょう、用があったら、自分で来たらいいじゃないの、ねえ」
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
大岡様を通じてだいぶ前から
相識
(
しりあい
)
になっているこの蒲生泰軒を、愚楽は、学問なら、腹なら、まず当今第一の大人物とみて、こころの底から泰軒に絶大な尊敬を払っているんです。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
降って沸いたような血戦に家族は近くの
相識
(
しりあい
)
の家に避難して、いつの間にか、気のきいた者が襖障子を取り払い、縁に近い庭に仲間がかがり火を
焚
(
た
)
いて、屋内にも燭台を立てならべ
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「だが——」と声を落として、「なんじの
相識
(
しりあい
)
……意外に近い者から出おったのだ」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ただへらへら平兵衛の
相識
(
しりあい
)
の
按摩
(
あんま
)
の夫婦がどこからかもらって来て育てていたのが、去年女房に死なれて
盲目
(
めくら
)
ひとりで困っているのを、平兵衛が勝手に引き取ってきただけのことなのだから面白い。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
女房とも談合して、幸いやぐら下のまつ川というのが講中や何かで
相識
(
しりあい
)
だからお艶さんをこっちの娘分にして当分まつ川へ置いてもらったらどうだろう? 決して枕はかせがないという一枚証文なら
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「さよう、津賀閑山——お
相識
(
しりあい
)
かな?」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
さては閑山の
相識
(
しりあい
)
らしい。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
“相識”の意味
《名詞》
相 識(そうしき)
互いに相手を知っていること。その人。
(出典:Wiktionary)
相
常用漢字
小3
部首:⽬
9画
識
常用漢字
小5
部首:⾔
19画
“相”で始まる語句
相
相手
相違
相応
相好
相撲
相談
相槌
相貌
相模