相識そうしき)” の例文
景一は京都赤松殿やしきにありし時、烏丸光広からすまるみつひろ卿と相識そうしきに相成りおりそろ。これは光広卿が幽斎公和歌の御弟子にて、嫡子ちゃくし光賢みつかた卿に松向寺殿の御息女万姫君まんひめぎみめあわせ居られそろゆえに候。
興津弥五右衛門の遺書 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
三の重要な人物と相識そうしき間柄あいだがらであるが、今や夫人はすこぶる重大な訴訟そしょうを起していて、彼女自身の運命もまたその子女の運命も、かかってそれら人物の手中にあるというのである。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
秀吉の行装ぎょうそう一列が、まばゆい朝日の下を、桑実寺の門前町から流れ出てゆく時、使者の蘭丸もまた安土の城門へむかって帰っていたが、何ぞ知らん、この地上におけるこう二人の相識そうしき
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お七は避難の間に情人じょうにん相識そうしきになって、翌年の春家に帰ったのち、再び情人と相見ようとして放火したのだそうである。お七は天和三年三月二十九日に、十六歳で刑せられた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
相識そうしきのあいだがらなので、三河守も、にこやかに
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)