人間レコードにんげんレコード
昭和×年の十月三日午後六時半。 玄海洋の颱風雲を帯びた曇天がもうトップリと暮れていた。 下関の桟橋へ着いた七千噸級の関釜連絡船、楽浪丸の一等船室から一人の見窄らしい西洋人がヒョロヒョロと出て来た。背丈が日本人よりも低い貧弱な老人で、何の病気 …
作品に特徴的な語句
被布シーツ ぱし 写真スナップ わらい 昨夜ゆんべ おとしい おん 羅紗ラシャ 彼奴きゃつ くつがえ 手酷てきび ゆびさ 中禿なかはげ 禿頭とくとう じじい 甲板デッキ 姿なり 雇員やとい 鬚髯ひげ へこ 阿片アヘン 義歯いれば かばん 首肯うなず すが ゆる 緞子どんす 駐箚ちゅうさつ 高価たか うち 硝子ガラス 眉深まぶか しゃく いびき 背後うしろ 虎狼ころう 非道ひど 険難けんのん 見窄みすぼ さわ 貴方あなた 走狗そうく 身体からだ すべ 這入はい 銀頭ぎんがしら 関釜かんぷ 張切はちき 引括ひっくく ついで 巨漢おおおとこ 居睡いねむ 小郡おごおり 嫌味いやみ ささや トン 彼奴あいつ 喋舌しゃべ くわ 和蘭オランダ 厚狭あさ もた そば 俄然がぜん てい 新疆しんきょう たま 狡猾こうかつ かた 爪牙そうが 煎餅せんべい 水瓶みずがめ 昨夜ゆうべ 生白なまじろ あらた しぼ つま 手前てめえ ドア うやうや あと