“生白”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なまじろ64.7%
なまっちろ11.8%
なましろ5.9%
なまちろ5.9%
なましら2.9%
なまちら2.9%
なまっちら2.9%
なまつちら2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
え、人間というものかい? 人間というものはつのえない、生白なまじろい顔や手足をした、何ともいわれず気味の悪いものだよ。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
全くその通り、どう見直しても、眼前にいるこの男は、自分が一途いちずに想像して来たような、生白なまっちろ優男やさおとこではありませんでした。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
顱卷はちまきをはづして、こゝで、生白なましろ素裸すはだかになつて、はひつておよがないばかりに、あし爪先つまさきまで綺麗きれいいた。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まるで歌舞伎の和事師わごとしのように、色が生白なまちろくておべんちゃらで、女あつかいばかりが莫迦にうまくて、男らしいところがどこにもない。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
針ほども心に面白き所あらば命さえくれてやる珠運も、何の操なきおのれに未練残すべき、その生白なましらけたる素首そっくびみるけがらわしと身動きあらく後向うしろむきになれば、よゝと泣声して
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
おらが鼻のさきを、ひいらひいら、あの生白なまちらけた芋の葉の長面ながづらが、ニタニタ笑えながら横に飛んだ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
が、方頷粗髯の山本権兵衛然たる魁偉かいいの状貌は文人を青瓢箪あおびょうたん生白なまっちらけた柔弱男にやけおとこのシノニムのように思う人たちをして意外の感あらしめた。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
併し色が生白なまつちらけて眉毛がチヨロけて眼尻が垂れ、ちつと失礼の云分だがやまと文庫の挿絵の槃特はんどくに何処かてゐた。第一いやな眼付をして生緩なまぬるくちかれるとぞうつと身震が出る。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)