生白なまっちろ)” の例文
全くその通り、どう見直しても、眼前にいるこの男は、自分が一途いちずに想像して来たような、生白なまっちろ優男やさおとこではありませんでした。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
何を話したか忘れてしまったが、こんな色の生白なまっちろい若い男があんなうまい文章を書くかと呆気に取られた外には初対面の何の印象も今は残っていない。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
「ざまあ見やがれ、」とふてをいて、忘れずに莨入たばこいれを取って差し、生白なまっちろい足を大跨おおまたにふいと立って出ようとする。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「エ、洒落に泳いで。フーム。生白なまっちろい顔してる癖に圓朝て意気な野郎だなあ」
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)