“莨入”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たばこいれ61.9%
たばこい38.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
落した大事な莨入たばこいれを、田町の自身番からの差紙で、取りに来いといわれた時でさえ、病気と偽って弟子の秀麿を代りにやったくらい。
歌麿懺悔:江戸名人伝 (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
何と気を変えたか、宗匠、今夜は大いにいなって、印半纏しるしばんてんに三尺帯、但し繻珍しゅちん莨入たばこいれ象牙ぞうげの筒で、内々そのお人品ひとがらな処を見せてござる。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
和泉屋は、羅紗ラシャこわそうな中折帽を脱ぐと、軽く挨拶あいさつして、そのまま店頭みせさきへ腰かけ、気忙しそうに帯から莨入たばこいれを抜いて莨を吸い出した。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「親分の死骸の上に麗々と載せてあった莨入たばこいれ、いつも鼻猪之が腰から放さぬ品で、そればかりか印入りの提灯ちょうちんまでこれ見よがしに置いてございました」
無頼は討たず (新字新仮名) / 山本周五郎(著)