“たばこいれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
煙草入56.2%
莨入35.6%
烟草入5.5%
烟艸帒1.4%
煙草箱1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
敬太郎は主人の煙草入たばこいれを早く腰に差させようと思って、単によろしいと答えた。主人はようやく談判の道具を角帯かくおびの後へしまい込んだ。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何と気を変えたか、宗匠、今夜は大いにいなって、印半纏しるしばんてんに三尺帯、但し繻珍しゅちん莨入たばこいれ象牙ぞうげの筒で、内々そのお人品ひとがらな処を見せてござる。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
としは二十八でありますが至って賢い男、大形おおがた縮緬ちりめん単衣ひとえものの上に黒縮緬の羽織を着て大きな鎖付の烟草入たばこいれを握り、頭は櫓落やぐらおとしというあたま
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さて是より熊のはなし也、今一盃たまはるべしとてみづからつぎてしきりにのみこしより烟艸帒たばこいれをいだしてたばこのみなどするゆゑ、其つぎはいかにとたづねければ、老父らうふいはく、さてかたはらを見ればくゞるべきほどの岩窟いはあなあり
主人あるじはこれを知っているのかいないのか、じっと目をふさいでいる。しばらくすると、右の手が煙草箱たばこいれの方へ動いてその太い指が煙草を丸めだした。
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)