“引括”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひっくく68.0%
ひっくる20.0%
ひきくく4.0%
ひきくゝ4.0%
ひっくゝ4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
有無うむを言わさず引括ひっくくり上げるつもりであったが、相手を甘く見すぎたのか。そうではない、相手が全く意表に出でたからである。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
殊に蓼科山あたり迄を引括ひっくるめた八ヶ岳火山群となれば、恐らく他にこれと比肩すきものはあるまい。
高原 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
牛蒡ごぼうたばねに、引括ひきくくつた両刀を背中に背負しょはせた、御番の衆は立ちかゝつて、左右から、曲者くせものの手を引張つて遠ざかつた。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
だ彼れの妻お倉に就きては人々の言葉に多少の違い有れど引括ひきくゝれば先ず、お倉は美人なり、身体に似合ぬほど其衣類立派なり、れど悪き癖とては少しも無し、身持は極めて真面目なり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
最前から森下の植込うえごみの蔭に腕を組んで様子をうかごうて居るのはの遠山權六で、さきに松蔭の家来有助を取って押えたが、松蔭がお羽振がいので、事を問糺といたゞさず、無闇に人を引括ひっくゝり、かみへ手数を掛け
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)