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引剥
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ひっぱ
ふりがな文庫
“
引剥
(
ひっぱ
)” の例文
乱箱
(
みだればこ
)
に
畳
(
たた
)
んであった着物を無造作に
引摺出
(
ひきずりだ
)
して、上着だけ
引剥
(
ひっぱ
)
いで
着込
(
きこ
)
んだ
証拠
(
しょうこ
)
に、
襦袢
(
じゅばん
)
も羽織も
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
を
辷
(
すべ
)
って、
坐蒲団
(
すわりぶとん
)
の
傍
(
わき
)
まで
散々
(
ちりぢり
)
のしだらなさ。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と云いながら、無理無体に泥坊の
冠
(
かぶ
)
っていた頭巾を
引剥
(
ひっぱ
)
ぐと、面目ないから下を向いて居りまする。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……儲けるどころか、
対手方
(
あいてかた
)
に大分の
借
(
かり
)
が出来た、さあどうする。……で、損料……
立処
(
たちどころ
)
に損料を
引剥
(
ひっぱ
)
ぐ。
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と布団を
引剥
(
ひっぱ
)
いで見ますと、今年二十五になります現在
己
(
おのれ
)
の実子早四郎が
俯伏
(
うつぷし
)
になり、
血
(
のり
)
に染って息が絶えているのを見ますと、五平は驚いたの
何
(
なん
)
のではございません、
真蒼
(
まっさお
)
になって
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
座敷で
衣物
(
きもの
)
が脱げないなら、内で脱げ、
引剥
(
ひっぱ
)
ぐと、な、帯も何も取られた上、台所で
突伏
(
つッぷ
)
せられて、引窓をわざと開けた、寒いお月様のさす影で、恥かしいなあ
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
否
(
いや
)
なら無理にお願い申しませんよ、それじゃア私の
金主
(
きんしゅ
)
の
八木
(
やぎ
)
さんから拝借した三円のお金を、今損料屋が来てお
母
(
っか
)
さんの
被
(
き
)
ている蒲団を
引剥
(
ひっぱ
)
ぎにかゝったから、お気の毒だと思い、立替えたが
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
銀行は
同一
(
おなじ
)
取引の資産家だから、出掛けに、
捨利
(
すてり
)
で一着に及んだ礼服を、返りがけに質屋の店さきで、腰を掛けながら
引剥
(
ひっぱ
)
ぐと、江戸川べりの冬空に——いいかね——青山から
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と無理やりに女房の着物を
引剥
(
ひっぱ
)
いでこれを着て出掛けました。
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
脱ぐと
羅
(
うすもの
)
の襟が、
肉置
(
ししおき
)
のほどの
好
(
い
)
い
頸筋
(
えりすじ
)
に
掛
(
かか
)
って、すっと留まったのを、貴婦人の手が下へ押下げると、見る目には
苛
(
いじ
)
らしゅう、
引剥
(
ひっぱ
)
ぐように思われて、裏を返して、はらりと落ちて
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
剥
部首:⼑
10画
“引”で始まる語句
引
引込
引摺
引返
引張
引掛
引籠
引立
引緊
引出