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引剥
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ひきは
ふりがな文庫
“
引剥
(
ひきは
)” の例文
一枚ぐらいはドコかに
貼
(
は
)
ってありそうなもんだと、お堂の
壁張
(
かべばり
)
を残る
隈
(
くま
)
なく
引剥
(
ひきは
)
がして見たが、とうとう一枚も発見されなかったそうだ。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
みやこの女はまだ
市女笠
(
いちめがさ
)
を
被
(
かぶ
)
り
壺装束
(
つぼしょうぞく
)
のままだったが、突然、貝ノ馬介がそばに寄るとその
羅
(
うすもの
)
を、さすがに手荒いふうではなく物穏かに
引剥
(
ひきは
)
いだ。
舌を噛み切った女:またはすて姫
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
コロボックンクルの小さい可愛らしい手をぐっと捉まえまして、
無理耶理
(
むりやり
)
に隠れ蓑を
引剥
(
ひきは
)
いでしまいました。
蕗の下の神様
(新字新仮名)
/
宇野浩二
(著)
お里の部屋に飛び込んで、小机を踏臺に欄間を
引剥
(
ひきは
)
がし其處から飛び込んだ八五郎、久六とどんな激しい爭ひを續けたか、それは想像に任せる外はありません。
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
が
今
(
いま
)
までの
悔
(
くゐ
)
は、ともすれば
言
(
い
)
ひ
譯
(
わけ
)
の
楯
(
たて
)
に
隱
(
かく
)
れて、
正面
(
まとも
)
な
非難
(
ひなん
)
を
拒
(
ふせ
)
いでゐたのを
知
(
し
)
つた。
彼女
(
かのぢよ
)
は
今
(
いま
)
自分
(
じぶん
)
の
假面
(
かめん
)
を
引剥
(
ひきは
)
ぎ、その
醜
(
みにく
)
さに
驚
(
おどろ
)
かなければならなかつた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
▼ もっと見る
それはあらゆる虚偽と停滞とに向かって飛びかかり、あらゆる仮面を
引剥
(
ひきは
)
がずんばやまない。そこにはただ一筋の道あるのみである。真実を求めて赤裸の魂が突進する戦いの道である。
ジャン・クリストフ:01 序
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
……洋服屋の
宰取
(
さいとり
)
の、あのセルの
前掛
(
まえかけ
)
で、頭の
禿
(
は
)
げたのが、ぬかろうものか、春暖相催し申候や否や、結構なお外套、ほこり落しは今のうち、と
引剥
(
ひきは
)
いで持って
行
(
ゆ
)
くと、今度は蝉の方で
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
勤務
(
つとめ
)
の時間が近づいたと聞いて、彼は
蒲団
(
ふとん
)
を
引剥
(
ひきは
)
がすように妻に言付けた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
神職 じたばたするなりゃ、
手取
(
てど
)
り足取り……村の
衆
(
しゅ
)
にも
手伝
(
てつだ
)
わせて、その
婦
(
おんな
)
の
上衣
(
うわぎ
)
を
引剥
(
ひきは
)
げ。髪を
捌
(
さば
)
かせ、
鉄輪
(
かなわ
)
を頭に、九つか、七つか、蝋燭を
燃
(
とも
)
して、めらめらと、蛇の舌の如く頂かせろ。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
神職 構わず
引剥
(
ひきは
)
げ。
裸体
(
はだか
)
のおかめだ。
紅
(
あか
)
い
二布
(
ふたの
)
……
湯具
(
ゆぐ
)
は許せよ。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と云うより早く、ぴりぴりと比羅紙を
引剥
(
ひきは
)
がす……
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
剥
部首:⼑
10画
“引”で始まる語句
引
引込
引摺
引返
引張
引掛
引籠
引立
引緊
引出