“こい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コイ
語句割合
43.1%
30.8%
故意8.3%
4.7%
2.5%
己斐2.2%
虎威1.4%
1.1%
0.7%
恋愛0.7%
0.7%
鯉魚0.7%
古井0.4%
下衣0.4%
孤衣0.4%
恋人0.4%
故為0.4%
木居0.4%
0.4%
胡毉0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あるものは小さい池の岸を掩って、水に浮かぶこいの影をかくしている。あるものは四つ目垣に乗りかかって、その下草を圧している。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「ナーニそうなりゃアうらこいなしだ! 妾ばかりが困るのではない、華子さんだって困るのだ。諦めなければならないかもしれない」
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
煽動あふり横顔よこがほはらはれたやうにおもつて、蹌踉よろ/\としたが、おもふに幻覚げんかくからめた疲労ひろうであらう、坊主ばうず故意こいうしたものではいらしい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
松井田にもいろいろと言い分もあり、それでは困る事情もあったが、風間への恩義と友情とそれから真理のため、そのこいをきき入れねばならなかった。
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)
甚助は、こいを許した。しかし、誓約にとどめて後日の再会を約し、なお行くと、また彼を追って来た者がある。岩村田の近郷に住む田宮平兵衛という郷士だった。
剣の四君子:03 林崎甚助 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宮島から電車で己斐こいの一つか二つ手前の何とかいう海水浴場で午後ずっとゆっくりして、そして夕方友ちゃんをのせてから市へ行けばいいと云っていて、そのつもりにしていたの。
「そちの家には、李異りい謝旌しゃせいという万夫不当な勇将も二人養っているそうだ。大いによかろう、征って来い、なお副将には、老練な虎威こい将軍朱然しゅぜんをつけてやる」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今宮内様は御紋附の羽織にこい御納戸色おなんどいろ面取めんとりの袴をつけて、前には煙草盆や何かを置き、此方こっちには煎茶の道具があり、側に家来が二人ばかり居ります。
ねぎを売りにくる人にも、こいとろやさんにも、まき屋さんにもありそうな名だ。
恋愛こいを覚えた人のように。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
最早もはえりのあたりがむづ/\してた、平手ひらてこいると横撫よこなでひるせなをぬる/\とすべるといふ、やあ、ちゝしたひそんでおびあひだにも一ぴきあをくなつてそツとるとかたうへにも一すぢ
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三宝さんぽう利益りやく四方しほう大慶たいけい。太夫様にお祝儀を申上げ、われらとても心祝こころいわひに、此の鯉魚こいさかなに、祝うて一こん、心ばかりの粗酒そしゅ差上さしあげたう存じまする。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ストップ! 古井こいの白い鉄橋の上で、私は驚いて自動車を飛び降りた。その相迫った峡谷のみどりの深さ、水のあおくて豊かさ。何とまた鬱蒼うっそうとして幽邃ゆうすい下手しもての一つ小島の風致であろう。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
この川はと聞くと飛騨川とたれか答えた。高山たかやまの上の水源地から流れて来てこの古井こいで初めて木曾川にるのだとまた一人がかたわらから教えてくれた。じゃあ、あの広いのが木曾川だなと思えて来た。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
下衣こいを脱ぐと帯で背中にくくりつけ、半裸の妙な風体で水の中に跳び込んだ。汗を流したやさきではあったが、夜の水は骨を刺した。
蕎麦の花の頃 (新字新仮名) / 李孝石(著)
孤衣こい孤剣こけんの身を、漂泊ひょうはくのうちに生涯していたといえば、非常に遠いむかしの人を語るような感じもするが、法隆寺ほうりゅうじの塔は、解体改築されて後も、なお今日にその実在を示しているし
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なんだって……情人いろとか恋人こいとかのことを云ってるんじゃないよ。」
(新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
一、俳句をものするには空想にると写実に倚るとの二種あり。初学の人おおむね空想に倚るを常とす。空想くる時は写実に倚らざるべからず。写実には人事と天然とあり、偶然と故為こいとあり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
それは横一尺に縦二尺ばかりの、糸錦の地に木居こいの若鷹を刺繍したもので、あしらった紐のいろは鮮やかな緋色であった。
痀女抄録 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
家々の燈火ともしびは水に映つてきら/\と搖曳ゆらいで居る。櫓の音をゆるやかにきしらせながら大船の傳馬てんまこいで行く男は澄んだ聲で船歌を流す。僕は此時、少年心こどもごゝろにも言ひ知れぬ悲哀かなしみを感じた。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
昏倒こんとうした蘇武に対する胡毉こいの手当てというのがすこぶる変わっていた。地を掘ってあなをつくり熅火うんかを入れて、その上に傷者を寝かせその背中をんで血を出させたと漢書かんじょにはしるされている。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)