トップ
>
請
>
こい
ふりがな文庫
“
請
(
こい
)” の例文
素戔嗚
(
すさのお
)
はそろそろ
焦
(
じ
)
れ出しながら、
突慳貪
(
つっけんどん
)
に若者の
請
(
こい
)
を
却
(
しりぞ
)
けた。すると相手は
狡猾
(
こうかつ
)
そうに、じろりと彼の顔へ眼をやって
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
松井田にもいろいろと言い分もあり、それでは困る事情もあったが、風間への恩義と友情とそれから真理のため、その
請
(
こい
)
をきき入れねばならなかった。
空中墳墓
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その夜私の泊って居る
舎
(
こや
)
で僧侶らの
請
(
こい
)
に従って十
善法戒
(
ぜんほうかい
)
の説法を致しました。すると彼らがいいますには仏法はこんなに分り易く説いてくれる方はごく少ない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
衍
頓首
(
とんしゅ
)
して謝し、
尋
(
つい
)
で卒すと。
篋中
(
きょうちゅう
)
の朱書、道士の霊夢、
王鉞
(
おうえつ
)
の言、
呉亮
(
ごりょう
)
の死と、道衍の
請
(
こい
)
と、溥洽の
黙
(
もく
)
と、
嗚呼
(
ああ
)
、数たると数たらざると、道衍
蓋
(
けだ
)
し知ることあらん。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それで、今親類中に、市蔵の尊敬しているものは僕よりほかにないのだから、ともかくも一遍呼び寄せてとくと話して見てくれぬかという彼女の
請
(
こい
)
を快よく引受けた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
渋江氏では、もしその
請
(
こい
)
を
納
(
い
)
れなかったら、あるいは両家の間に
事端
(
じたん
)
を生じはすまいかと
慮
(
おもんぱか
)
った。陸が遂に文一郎に嫁したのは、この
疑懼
(
ぎく
)
の犠牲になったようなものである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
が、しかし私は、たとい日本政府との間に、少しの面倒があっても、あの青年たちの
請
(
こい
)
を容れてやることが、どんなに正しいことであり、いいことであるか分からないと思う。
船医の立場
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
中止したりしを籾山書店これを聞知り是非にも
小本
(
こぼん
)
に仕立てて出版したしと再三店員を差遣されたればわれもその当時は
甚
(
はなはだ
)
眤懇
(
じっこん
)
の間柄むげにもその
請
(
こい
)
を
退
(
しりぞ
)
けかね草稿を渡しけり。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
遂
(
つい
)
に、父坪右衛門の
請
(
こい
)
により隠元老師の諭示を受くるに到るや、心機一転する処あり
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
武士は妾の
請
(
こい
)
に少なからず当惑したけれど、もはや
何
(
いず
)
れにしても命のない女の身を可哀そうに思って、意を決して二人は手に手を取り合うて、秋
将
(
ま
)
さに深き信濃の山路に逃げのびたのである。
森の妖姫
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
是々と叔父の
請
(
こい
)
を
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
津崎左近
(
つざきさこん
)
は助太刀の
請
(
こい
)
を
却
(
しりぞ
)
けられると、二三日家に閉じこもっていた。兼ねて
求馬
(
もとめ
)
と取換した
起請文
(
きしょうもん
)
の
面
(
おもて
)
を
反故
(
ほご
)
にするのが、いかにも彼にはつらく思われた。
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
堺では私の
竹馬
(
ちくば
)
の友である伊藤市郎氏、この方もよく慰みに網打に行かれたですが高部氏の話をして
諫
(
いさ
)
めたところが幸いに私の
請
(
こい
)
を容れ網を焼いて餞別にしてくれた。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「じゃ、我々はこの青年たちの
請
(
こい
)
を
斥
(
しりぞ
)
けた方が、無難だというのですか」
船医の立場
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
その翌日も逗留して酋長の
請
(
こい
)
に従ってお経を読みそこでまた道の順序を尋ねました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
勝平はそうした余裕のある心持で、瑠璃子の
請
(
こい
)
を
容
(
い
)
れた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
“請”の意味
《名詞》
(ショウ)願うこと。招くこと。
(ショウ)律令制で五位以上の貴族などに適用された刑法上の特典。
(出典:Wiktionary)
請
常用漢字
中学
部首:⾔
15画
“請”を含む語句
強請
請取
請求
請合
請負
起請
請待
普請
勧請
起請文
安請合
請願
招請
申請
請引
身請
小普請
請出
請負師
仮普請
...