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こい
ふりがな文庫
“
恋
(
こい
)” の例文
旧字:
戀
片方は十八の青年、片方は十七の
乙女
(
おとめ
)
。二人は外界をみな敵にして秘密の中で出会うのです。自然と
恋
(
こい
)
が芽生えて来たのも当然です。
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「ナーニそうなりゃア
怨
(
うら
)
み
恋
(
こい
)
なしだ! 妾ばかりが困るのではない、華子さんだって困るのだ。諦めなければならないかもしれない」
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
バナナの
皮
(
かわ
)
は、
若
(
わか
)
い
男
(
おとこ
)
と
女
(
おんな
)
とが、
楽
(
たの
)
しそうに
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
い、
笑
(
わら
)
っている
声
(
こえ
)
をききますと、
急
(
きゅう
)
に
産
(
う
)
まれた、
南
(
みなみ
)
の
故郷
(
こきょう
)
が
恋
(
こい
)
しくなりました。
河水の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「で、今夜は、それがしが
一夕
(
いっせき
)
の
恋
(
こい
)
を遂げた訳。ご迷惑でも、どうか一
献
(
こん
)
お過ごしあって、存分、わがままをいってもらいたいのじゃ」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何
(
なに
)
を
隠
(
かく
)
しましょう、
私
(
わたくし
)
はその
時
(
とき
)
、この
人
(
ひと
)
には、
恋
(
こい
)
する
人
(
ひと
)
の、
本当
(
ほんとう
)
の
気持
(
きもち
)
は
判
(
わか
)
らないと、
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
で
大
(
たい
)
へんにあなたを
軽視
(
みおろ
)
したのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
頓着
(
とんちゃく
)
なく日は立って行く。わかれ霜を気遣うたは昨日の様でも、最早
春蝉
(
はるぜみ
)
が鳴き出して青葉の
蔭
(
かげ
)
がそゞろ
恋
(
こい
)
しい日もある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
恋
(
こい
)
というには、あまりに
素朴
(
そぼく
)
な愛情、ろくろく話さえしなかった仲でしたから、あなたはもう忘れているかもしれない。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
事実上
(
じじつじょう
)
の
細
(
こま
)
かい
注意
(
ちゅうい
)
を
残
(
のこ
)
りなくお
初
(
はつ
)
から
教
(
おし
)
えられたにしても、こんな
時
(
とき
)
に
母
(
かあ
)
さんでも
生
(
い
)
きていて、その
膝
(
ひざ
)
に
抱
(
だ
)
かれたら、としきりに
恋
(
こい
)
しく
思
(
おも
)
った。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
長、短、長短、合計三十六本の線が春夏秋冬
神祇
(
じんぎ
)
釈教
(
しゃっきょう
)
恋
(
こい
)
無常
(
むじょう
)
を座標とする多次元空間に、一つの曲折線を描き出す。
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
恋
(
こい
)
のみか、生命をかけた仕事までが根こそぎになったという意識が、かれの心から考える力をも感ずる力をも完全に
奪
(
うば
)
ってしまったかのようであった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
おとうさんは日ましに
鉢
(
はち
)
かつぎが
恋
(
こい
)
しくなって、どうかしてもう一
度
(
ど
)
会
(
あ
)
いたいと
思
(
おも
)
って、
坊
(
ぼう
)
さんの
姿
(
すがた
)
になり、
方々
(
ほうぼう
)
その
行方
(
ゆくえ
)
をたずねて、
迷
(
まよ
)
い
歩
(
ある
)
きました。
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「だけど——けっして、別れた男が
恋
(
こい
)
しくて泣いているんじゃないでしょう。あんまり苛められると、犬だって寝言にヒクヒク泣いているじゃありませんか」
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
けれども、ヤッローをいちばん
恋
(
こい
)
しがったのは、ぼっちゃんのペール・オーラでした。オーラはやっと、三つになったばかりで、この家のひとりっ子でした。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
そうして、きのうまで歩いて来た、林だの畑ばかりつづいたいなか道が、かえって
恋
(
こい
)
しくなってきました。そこでもかれはむろん、うえ
疲
(
つか
)
れて歩いていました。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
そんな柳吉に蝶子はひそかにそこはかとなき
恋
(
こい
)
しさを感じるのだが、癖で甘ったるい気分は外に出せず
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
まあ、
邪魔
(
じゃま
)
しないでちょうだい。とにかく、すばらしい舞踏会なの。お客も
大勢
(
おおぜい
)
いて、それがみんな若くて、立派で、
勇敢
(
ゆうかん
)
で、みんな
夢中
(
むちゅう
)
で女王様に
恋
(
こい
)
しているの
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
式亭三馬
(
しきていさんば
)
が何年か前に出版した
滑稽本
(
こっけいぼん
)
の中で、「
神祇
(
しんぎ
)
、
釈教
(
しゃっきょう
)
、
恋
(
こい
)
、
無常
(
むじょう
)
、みないりごみの
浮世風呂
(
うきよぶろ
)
」
戯作三昧
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それもそのはず、雪だるまは、ただもうストーブのことばかり考えて、
恋
(
こい
)
しがっていたのですもの。
雪だるま
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その
中
(
うち
)
に彼
等
(
ら
)
の一人が子路の
服装
(
ふくそう
)
をじろじろ
見廻
(
みまわ
)
し、やあ、これが儒服という
奴
(
やつ
)
か?
随分
(
ずいぶん
)
みすぼらしいなりだな、と言った。長剣が
恋
(
こい
)
しくはないかい、とも言った。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
お察しの通りです。わたしは
恋
(
こい
)
をしているのです。でもそれは
奇妙
(
きみょう
)
な恋でございます。お聞きください。わたしと女とは小さい頭を
総角
(
あげまき
)
にゆっているころから知りあっていました。
おしどり
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
当の萩乃は、
恋
(
こい
)
不知火
(
しらぬい
)
のむすめ十九、京ちりめんのお振袖も、袂重い年ごろですなア。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
(おれの
恋
(
こい
)
は、いまあの百合の花なのだ。いまあの百合の花なのだ。
砕
(
くだ
)
けるなよ。)
ガドルフの百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「梅子は自分を愛している、少くとも自分が梅子を
恋
(
こい
)
ていることを不快には思っていない」との一念が
執念
(
しゅうね
)
くも細川の心に
盤居
(
わだか
)
まっていて彼はどうしてもこれを否むことが出来ない
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
真実
(
ほんと
)
に
遣付
(
やっつ
)
けようかと思ってるんだ。オイ、三年の
恋
(
こい
)
も
醒
(
さ
)
めるかナッ、ハハハ。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
夜
(
よる
)
が
白々
(
しらじら
)
と
明
(
あ
)
けそめて、
上野
(
うえの
)
の
森
(
もり
)
の
恋
(
こい
)
の
鴉
(
からす
)
が、まだ
漸
(
ようや
)
く
夢
(
ゆめ
)
から
覚
(
さ
)
めたか
覚
(
さ
)
めない
時分
(
じぶん
)
、
早
(
はや
)
くも
感応寺
(
かんのうじ
)
中門前町
(
なかもんぜんちょう
)
は、
参詣
(
さんけい
)
の
名
(
な
)
に
隠
(
かく
)
れての、
恋知
(
こいし
)
り
男
(
おとこ
)
の
雪駄
(
せった
)
の
音
(
おと
)
で
賑
(
にぎ
)
わいそめるが、十一
軒
(
けん
)
の
水茶屋
(
みずちゃや
)
の
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
その蔭に
淡
(
あわ
)
い少年の
恋
(
こい
)
が暗示されていなくもない。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
恋
(
こい
)
だとはいえず師直フナといい
江戸前の釣り
(新字新仮名)
/
三遊亭金馬
(著)
ひまわりの
花
(
はな
)
が、
日
(
ひ
)
に
向
(
む
)
かって、
頭
(
あたま
)
をうつすのを
見
(
み
)
ると、二
番
(
ばん
)
めの
娘
(
むすめ
)
が
故郷
(
ふるさと
)
を
恋
(
こい
)
しがっているのだと、一
家
(
か
)
のものは
悲
(
かな
)
しく
思
(
おも
)
いました。
二番めの娘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
塀にもたれて、考えこんでいると、奥ふかい邸の木の間からみやびた
八雲箏
(
やくもごと
)
の音が、
良人
(
つま
)
恋
(
こい
)
しと
弾
(
ひ
)
くように洩れてきた。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私
(
わたくし
)
は
嬉
(
うれ
)
しいやら、
恋
(
こい
)
しいやら、
又
(
また
)
不思議
(
ふしぎ
)
やら、
何
(
なに
)
が
何
(
なに
)
やらよくは
判
(
わか
)
らぬ
複雑
(
ふくざつ
)
な
感情
(
かんじょう
)
でその
時
(
とき
)
初
(
はじ
)
めて
自分
(
じぶん
)
の
魂
(
たましい
)
の
親
(
おや
)
の
前
(
まえ
)
に
自身
(
じしん
)
を
投
(
な
)
げ
出
(
だ
)
したのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
例
(
たと
)
えば、往きの船が、しょっちゅう太陽を感じさせる
雰囲気
(
ふんいき
)
に包まれていたとすれば、帰りの船はまた絶えず月光が
恋
(
こい
)
しいような、感傷の旅でした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
「ありませんね。うっかりして、
恋
(
こい
)
をしたこともまだないんです。だから、ぼくは
入塾
(
にゅうじゅく
)
してから一度も手紙を書いたことがありません。さびしい人間ですよ。」
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
まりをお
嫁
(
よめ
)
さんにもらうことができなかっただけに、いっそう、
恋
(
こい
)
しさがましてきました。まりがほかの人と結婚したって、そんなことは、なんのかかわりもありません。
いいなずけ
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
『これが
恋
(
こい
)
なのだ』とわたしは、その夜がふけてから、デスクの前に坐って、またもやひとりごちた。そのデスクの上には、すでにノートや参考書がそろそろ
並
(
なら
)
び出していた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
それが、きょう急にすばらしい
天気
(
てんき
)
になりましたので、地上の人たちは、あたたかいお日さまの光と、
緑
(
みどり
)
の森が
恋
(
こい
)
しくなって、じっと仕事をしていることができなくなりました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
今日
(
きょう
)
は雨が欲しく、風が
恋
(
こい
)
しく、
蔭
(
かげ
)
がなつかしい五月下旬の日であった。
蝉
(
せみ
)
の
音
(
ね
)
、色づいた麦、耳にも眼にもじり/\と
暑
(
あつ
)
く、
光
(
ひか
)
る緑に眼は
痛
(
いた
)
い様であった。
果然
(
かぜん
)
寒暖計
(
かんだんけい
)
は
途方
(
とほう
)
もない八十度を
指
(
さ
)
した。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
熱烈なる
恋
(
こい
)
ごころを抱くにいたりました。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
下
恋恋恋
(
れんれんれん
)
、
恋
(
こい
)
は
金剛不壊
(
こんごうふえ
)
なるが
聖
(
せい
)
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
恋
(
こい
)
しくば
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
村
(
むら
)
には、
春
(
はる
)
がき、
夏
(
なつ
)
がき、
秋
(
あき
)
となり、
冬
(
ふゆ
)
となりました。
子供
(
こども
)
は、だんだん
死
(
し
)
んだ
母親
(
ははおや
)
をなつかしく
思
(
おも
)
い、
恋
(
こい
)
しく
思
(
おも
)
うばかりでありました。
牛女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
一たい
恋
(
こい
)
しい
人
(
ひと
)
と
別
(
わか
)
れるのに、
生別
(
いきわか
)
れと
死別
(
しにわか
)
れとではどちらがつらいものでしょうか……。
事
(
こと
)
によると
生別
(
いきわか
)
れの
方
(
ほう
)
がつらくはないでしょうか……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
しかしながら、その中に育った、ぼく達の愛情は、肉体の
露
(
あら
)
わにみえる処に、あればあるほど肉体的でない、まるで
童話
(
メルヘン
)
の
恋
(
こい
)
物語めいた、静かさでありました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
けれども、一人前の
娘
(
むすめ
)
になって、好きなときに、いつでも行けるようになると、いままでほど心をひかれなくなりました。それどころか、かえって、うちが
恋
(
こい
)
しくなりました。
人魚の姫
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
永久に
恋
(
こい
)
を失ったということも、にがい味のすることだったが、弱い人間として大河無門の前に立たされているということも、それにおとらず、にがい味のすることだったのである。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
つまりわたしは、もはやただの子供でも少年でもなくて、
恋
(
こい
)
する人になったのだ。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
恋
(
こい
)
も起らぬ
往時
(
むかし
)
に返った。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
毒婦
(
どくふ
)
笑
(
わら
)
い
恋
(
こい
)
の
投
(
な
)
げ
槍
(
やり
)
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
恋
(
こい
)
しくば
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
恋
(
こい
)
不知火
(
しらぬい
)
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
母
(
はは
)
や、
父
(
ちち
)
や、
友
(
とも
)
だちや、
遊
(
あそ
)
んだ
森
(
もり
)
や、
野原
(
のはら
)
が
恋
(
こい
)
しくなりました。
恋
(
こい
)
しくなると、
彼
(
かれ
)
の
性質
(
せいしつ
)
として
矢
(
や
)
も
楯
(
たて
)
もたまらなくなりました。
海へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“恋”の意味
《名詞》
(こい)ある人に強く惹かれること。
(出典:Wiktionary)
恋
常用漢字
中学
部首:⼼
10画
“恋”を含む語句
恋人
恋歌
恋愛
恋慕
恋仇
妻恋
恋文
片恋
初恋
恋女
嬬恋
恋女房
恋々
妻恋坂
恋中
係恋
恋情
恋煩
恋病
恋風
...