“陥没”のいろいろな読み方と例文
旧字:陷沒
読み方割合
かんぼつ64.3%
おちい7.1%
おちこ7.1%
おっこ7.1%
はま7.1%
ぶちはま7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
周瑜は仰天して、駒を引っ返そうとしたが、あとから盲目的に突入してきた味方にもまれ、うろうろしているうちに、足下の大地が一丈も陥没かんぼつした。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふるい小泉の家をささえようとしている実が、幾度いくたびか同じ蹉跌つまずきを繰返して、その度に暗いところへ陥没おちいって行く径路みちすじは、ありありと彼の胸に浮んで来た。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
眺めていた路傍の草の色は妙に彼の眼にみた。最早もはや彼は俥と自分との間にある可成かなりな隔りを見ることが出来た。深く陥没おちこんだ地勢に添うて折れ曲って行っている一筋の細い道が見える。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「人間に二通りある——一方の人はじりじり年をとる。他方かたいっぽの人は長い間若くていて急にドシンと陥没おっこちる」
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
よろしい、わたしいまじつもっにっちもさっちもかん輪索わな陥没はまってしまったのです。もう万事休矣おしまいです覚悟かくごはしています。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
七年以来このかた手紙もねえからひょっと船でも顛覆ひっくりかえって海の中へ陥没ぶちはまってしまったか、又は沢山金を持って居りやしたから、泥坊に金をられたのではないかと、出た日を命日と思っていたが