“おちい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オチイ
語句割合
77.3%
8.1%
陥入4.3%
墜落2.2%
落入2.2%
落居1.1%
陥落1.1%
陷入0.5%
0.5%
0.5%
墜入0.5%
0.5%
0.5%
陥没0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それからこっちも、ときどき変な気持に襲われた。なんだか、五体がばらばらに裂けてしまうような実に不快な気持におちいったのだ。
脳の中の麗人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それがぱく/\ひらいたりぢたりするので、たま/\これにおちいつた人畜じんちくたちまえなくなり、ふたゝびその姿すがたあらはすことは出來できなかつた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
、今度、戻って来て、斉彬公の御意見と合せると——わしは、考えた。陥入おちいろうとする絶壁の手前で、成る程と、判った
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
……実は私こと事情ござって当岩石ヶ城まで参りましたるところ、不届き至極の鬼王丸めが、聖徳隠れなきご老師に対し、無礼のみか迫害さえもし、城中混乱に墜落おちいりたる次第を
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
れよりおこりし生道心なまだうしんなどならば、かへすがへすあさましきことなり、だい一は不憫ふびんのことなり、中々なか/\高尚けだかこヽろもちそこねて、魔道まだう落入おちいるは我々われ/\書生しよせいうへにもあるを
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
少時しばらく思の道を絶ッてまじまじとしていてみるが、それではどうも大切な用事を仕懸けてめたようで心が落居おちいず、狼狽うろたえてまたお勢の事に立戻って悶え苦しむ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
のみならず、深いところへ陥落おちいるやうな睡眠ねむりで、目が覚めた後は毎時いつも頭が重かつた。其晩も矢張同じやうに、同じやうな仮寝うたゝねから覚めて、暫時しばらく茫然ぼんやりとして居たが、やがて我に帰つた頃は、もう遅かつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
上げおそれながら申上ます其儀は私し一向におぼえ御座りません然るに高田の役所に於て數度すど拷問がうもん骨々ほね/″\くだけ苦痛に堪兼たへかね是非なく無實むじつの罪に陷入おちいりし所又々再應さいおうの御吟味まことに有難仕合せに存じ奉ります訴訟人そしようにん憑司ひようじ現在げんざい私しの伯父ゆゑ如何成前世の業因ごふいんかと存じ斷念あきらめ無實むじつつみふくせしと申立ければ越前守殿是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
天のせるわざはひは猶去可し自からせる禍ひはさく可からずとは雖も爰に寶永はうえい七年九月廿一日北の町奉行中山出雲守殿いづものかみどのの掛りにて奸賊かんぞく村井長庵が惡計に陷入おちいり遂にはむじつ横難わうなんに罹り入牢じゆらうし果は牢死らうしに及びぬる彼道十郎はもと吉良家きらけ藩士はんしなる岩瀬舍人いはせとねりとて御近習へ出仕し天晴武文も心懸有し者なりしが不※した事の譯柄わけがらにて今は浪人となり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
或る人々は、お転婆な娘だけが誘惑におちいり易い危険性をもつてゐて、おとなしく内輪な始終恥かしがつてひつこんでばかりゐるやうな娘にはさう云ふ危険性はないものゝやうに考へてゐます。
内気な娘とお転婆娘 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
佐藤一斎のいわゆる俗情におちいらざるこれをかいというと教えたのはこの点であって、如何いかに外部の圧迫が強くとも、己の心にいさぎよしとせざることに従わぬところを俗情におちいらずというのである。
自由の真髄 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
おりる時には今にも奈落の底へ墜入おちいりますかと思う程の有様で、実に山三郎もとてももういかんと心得ましたから、只船舷ふなべりつかまって、船の沈んではならんとあか掻出かいだすのみで
同道にて忠兵衞のたくに到り私しは赤坂表町家主長助と申す者なりと初對面しよたいめんの挨拶もすみさて段々だん/\と此お光よりうけたまはりしに御自分ごじぶん事八ヶ年以前八月廿八日未明みめいに平川天神御參詣の折節をりふし麹町三丁目町醫師まちいし村井長庵におあひなされしとの事道十郎殿むじつの罪におちいりしも長庵は其あさ不快ふくわいにてふせり居り弟の見送みおくりにさへ出る事あた
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
君たちが昏睡におちいると、僕は君と恒子さんとをならばせ、それから、僕は恒子さんのわきに横になろうと思う。そうすれば僕と君とは恒子さんをはさんで死ぬことになるのだ。
ある自殺者の手記 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
ふるい小泉の家をささえようとしている実が、幾度いくたびか同じ蹉跌つまずきを繰返して、その度に暗いところへ陥没おちいって行く径路みちすじは、ありありと彼の胸に浮んで来た。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)