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陷
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おちい
ふりがな文庫
“
陷
(
おちい
)” の例文
新字:
陥
救
(
すく
)
はん爲に
故意
(
わざ
)
と
罪
(
つみ
)
に
陷
(
おちい
)
りしならん何ぞ是を知らずして殺さんや其方は
井筒屋茂兵衞
(
ゐづつやもへゑ
)
が
惣領
(
そうりやう
)
ならんと申されければ
雲源
(
うんげん
)
驚
(
おどろ
)
き感じ今は何を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それがぱく/\
開
(
ひら
)
いたり
閉
(
と
)
ぢたりするので、
偶
(
たま/\
)
これに
陷
(
おちい
)
つた
人畜
(
じんちく
)
は
忽
(
たちま
)
ち
見
(
み
)
えなくなり、
再
(
ふたゝ
)
びその
姿
(
すがた
)
を
現
(
あらは
)
すことは
出來
(
でき
)
なかつた。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
先生は
確
(
かた
)
く信じてゐる。さうして此の信仰が、先生の作品をして荒唐無稽な物語に
陷
(
おちい
)
らしめず、吾々の想像が描出し得る神祕境を披瀝するのである。
貝殻追放:017 泉鏡花先生と里見弴さん
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
四方
(
あたり
)
の空氣の物々しさと、單調な祈りの聲に誘はれて、法を受くる少年少女は、何時の間にやら自己催眠に
陷
(
おちい
)
り、一種夢の如き法悦を感ずるのです。
銭形平次捕物控:202 隠し念仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「うむ、
困
(
こま
)
つたなあ」
卯平
(
うへい
)
は
深
(
ふか
)
い
皺
(
しわ
)
を
蹙
(
しが
)
めていつた。さうして
後
(
あと
)
は一
言
(
ごん
)
もいはない。お
品
(
しな
)
の
病状
(
びやうじやう
)
は
段々
(
だん/\
)
險惡
(
けんあく
)
に
陷
(
おちい
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
男でも女でも無一物のどん底に
陷
(
おちい
)
つたとき、一體どういふ風にすればよいのか、私にはとても分らなかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
すると
何
(
ど
)
うしても
自分
(
じぶん
)
一人
(
ひとり
)
がこんな
窮境
(
きゆうきやう
)
に
陷
(
おちい
)
るべき
理由
(
りいう
)
がない
樣
(
やう
)
に
感
(
かん
)
ぜられた。それから、
斯
(
こ
)
んな
生活
(
せいくわつ
)
状態
(
じやうたい
)
に
甘
(
あま
)
んじて
一生
(
いつしやう
)
を
送
(
おく
)
る
兄夫婦
(
あにふうふ
)
が
如何
(
いか
)
にも
憫然
(
ふびん
)
に
見
(
み
)
えた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
女王は身の丈甚だ高からず、
面
(
おもて
)
の輪廓鋭くして、黒き目は稍〻
陷
(
おちい
)
りたり。衣裳つきはいと惡し。無遠慮に評せば、擬人せる
貧窶
(
ひんく
)
の
妃嬪
(
ひひん
)
の
裝束
(
さうぞく
)
したるとやいふべき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
自分
(
じぶん
)
の一
時
(
じ
)
の
心理
(
しんり
)
を
標準
(
へうじゆん
)
とし、
之
(
これ
)
を
正
(
たゞ
)
しいものと
獨斷
(
どくだん
)
して、
他
(
た
)
の一
時
(
じ
)
の
心理
(
しんり
)
を
否認
(
ひにん
)
することは
兎角
(
とかく
)
誤妄
(
ごもう
)
に
陷
(
おちい
)
るの
虞
(
おそ
)
れがある。これは
大
(
おほい
)
に
考慮
(
かうりよ
)
しなければならぬ
事
(
こと
)
である。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
〔評〕大坂城
陷
(
おちい
)
る。徳川
慶喜
(
よしのぶ
)
公火船に乘りて江戸に歸り、諸侯を召して罪を
俟
(
ま
)
つの状を告ぐ。余時に江戸に在り、特に
別廳
(
べつちやう
)
に
召
(
め
)
し告げて曰ふ。事此に至る、言ふ可きなし。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
もしよく耳をわが反論に傾けなば、汝は必ず汝の思ひの全く虚僞に
陷
(
おちい
)
れるを見む 六一—六三
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
西暦
(
せいれき
)
一千八百六十六
年
(
ねん
)
の
墺普戰爭
(
オーフツせんさう
)
に、
敵
(
てき
)
の
重圍
(
じゆうゐ
)
に
陷
(
おちい
)
つたる
墺太利軍
(
オースタリーぐん
)
の
一
(
いち
)
偵察隊
(
ていさつたい
)
は、
敵
(
てき
)
の
眼
(
まなこ
)
を
晦
(
くら
)
まさんがため、
密書
(
みつしよ
)
をば
軍用犬
(
ぐんようけん
)
の
首輪
(
くびわ
)
に
附
(
ふ
)
して、
其
(
その
)
本陣
(
ほんじん
)
に
送皈
(
おくりかへ
)
したといふ
逸話
(
いつわ
)
がある。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
往々
(
おう/\
)
にして極めて
愍
(
あは
)
れむべき
悲觀
(
ひかん
)
に
陷
(
おちい
)
ることあるなり、
之
(
これ
)
に
加
(
くわ
)
ふるに頑愚の迷信あり、誤謬の理論あり、惑溺の癡心あり、無憑の恐怖あり、盲目の驕慢あり、涯なき天と底なき地の間に
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
平掌
(
ひらて
)
で額をピシヤリ。この二三日スラムプに
陷
(
おちい
)
つてゐる平次から、この痛快な馬鹿野郎を喰はせられるのが、ガラツ八にはたまらない嬉しさの樣子です。
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私が二週間目の今日歸つて來た時に、あなたがはつきりと決心をしてゐらつしやる事を期待します。その間、あなたが誘惑に
陷
(
おちい
)
らぬよう注意し祈つて下さい。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
小西屋へ一度掛合
吾儕
(
わしら
)
の
身體
(
からだ
)
の明りの立やうに
何卒
(
どうぞ
)
なされて下されませと
理
(
ことわ
)
り
迫
(
せめ
)
たるお光の
述懷
(
じゆつくわい
)
無實
(
むじつ
)
に
陷
(
おちい
)
り樂みし
赤繩
(
せきじよう
)
茲
(
こゝ
)
に絶しと知ぬは憐れといふも
魯
(
おろか
)
なりけり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
己
(
おれ
)
ももう一
返
(
ぺん
)
小六
(
ころく
)
見
(
み
)
た
樣
(
やう
)
になつて
見
(
み
)
たい」と
云
(
い
)
つた。「
此方
(
こつち
)
ぢや、
向
(
むかふ
)
が
己
(
おれ
)
の
樣
(
やう
)
な
運命
(
うんめい
)
に
陷
(
おちい
)
るだらうと
思
(
おも
)
つて
心配
(
しんぱい
)
してゐるのに、
向
(
むかふ
)
ぢや
兄貴
(
あにき
)
なんざあ
眼中
(
がんちゆう
)
にないから
偉
(
えら
)
いや」
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
是非の心偏すれば、民或は兄弟
牆
(
かき
)
に
鬩
(
せめ
)
ぎ父子相
訟
(
うつた
)
ふ者有り。凡そ情の偏するや、四
端
(
たん
)
と雖遂に
不善
(
ふぜん
)
に
陷
(
おちい
)
る。故に學んで以て中和を
致
(
いた
)
し、
過不及
(
かふきふ
)
無きに
歸
(
き
)
す、之を
復性
(
ふくせい
)
の學と謂ふ。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
それも
夜
(
よる
)
に
成
(
な
)
つて
疲
(
つか
)
れた
身體
(
からだ
)
を
横
(
よこ
)
にし
甘睡
(
かんすゐ
)
に
陷
(
おちい
)
るまでの
少時間
(
せうじかん
)
彼等
(
かれら
)
は
互
(
たがひ
)
に
決
(
けつ
)
し
難
(
がた
)
い
思案
(
しあん
)
を
交換
(
かうくわん
)
するのであつた。
從來
(
これまで
)
も
夫婦
(
ふうふ
)
の
間
(
あひだ
)
は
孰
(
いづ
)
れが
本位
(
ほんゐ
)
であるか
分
(
わか
)
らぬ
程
(
ほど
)
勘次
(
かんじ
)
には
決斷
(
けつだん
)
の
力
(
ちから
)
が
缺乏
(
けつばふ
)
して
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
此
(
この
)
開
(
ひら
)
き
口
(
ぐち
)
に
人畜
(
じんちく
)
が
陷
(
おちい
)
つて
見
(
み
)
えなくなつたことが
記
(
しる
)
されてある。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
御咎
(
おとが
)
めもなく却て御
目見
(
めみえ
)
仰付
(
おほせつけら
)
れし事
冥加
(
みやうが
)
至極
(
しごく
)
有難き
仕合
(
しあは
)
せなり方
丈
(
ぢやう
)
樣へ御願ひと申すは
別儀
(
べつぎ
)
にあらず私し主人儀無實の罪に
陷
(
おちい
)
り近々御所置に
相成
(
あひなる
)
に付何卒御
衣
(
ころも
)
の袖を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
平次は全部の人間の配置を細かに説明してから、その時すべての人の
陷
(
おちい
)
つた盲點を指摘するのです。
銭形平次捕物控:265 美しき鎌いたち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
斯
(
こ
)
んな
時
(
とき
)
に六
疊
(
でふ
)
が
空
(
あ
)
いてゐれば、
朝
(
あさ
)
からでも
引込
(
ひつこ
)
む
場所
(
ばしよ
)
があるのにと
思
(
おも
)
ふと、
宗助
(
そうすけ
)
は
小六
(
ころく
)
に六
疊
(
でふ
)
を
宛
(
あ
)
てがつた
事
(
こと
)
が、
間接
(
かんせつ
)
に
御米
(
およね
)
の
避難場
(
ひなんば
)
を
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げたと
同
(
おな
)
じ
結果
(
けつくわ
)
に
陷
(
おちい
)
るので
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私は、其處に這入らせて貰つて、
謀叛
(
むほん
)
を起させます。そして三ツ尾のバッショウ(トルコで貴顯を示す)であるけれど、あなたは忽ちに私共の手に
陷
(
おちい
)
つたことに氣がつくでせうよ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「おつう
汝
(
われ
)
はなあ、よきもなあ」といつて
又
(
また
)
發作
(
ほつさ
)
の
苦惱
(
くなう
)
に
陷
(
おちい
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
陷
部首:⾩
11画
“陷”を含む語句
陷入
陷穽
陷沒
缺陷
陷落
陷込
陷穴