“本位”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほんい50.0%
ほんゐ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どっち本位(ほんい)で来たのか、それは彼の心がよく承知していた。けれども雨を凌(しの)いでここまで来た彼には、まだ商量(しょうりょう)の隙間(すきま)があった。躊躇(ちゅうちょ)があった。幾分の余裕が残っていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そう思(おも)うと、いい知(し)れぬ不快(ふかい)を、だれがしたか、この残忍(ざんにん)な行為(こうい)から感(かん)じられました。生(い)きている鳥(とり)を本位(ほんい)にして、かえって、無理(むり)に鳥(とり)を小(ちい)さくしようとする、冷酷(れいこく)さを思(おも)わずにいられません。
自由 (新字新仮名) / 小川未明(著)
其時(そのとき)の彼(かれ)は他(ひと)の事(こと)を考(かんが)へる餘裕(よゆう)を失(うしな)つて、悉(こと/″\)く自己(じこ)本位(ほんゐ)になつてゐた。今迄(いままで)は忍耐(にんたい)で世(よ)を渡(わた)つて來(き)た。是(これ)からは積極的(せききよくてき)に人世觀(じんせいくわん)を作(つく)り易(か)へなければならなかつた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それも夜(よる)に成(な)つて疲(つか)れた身體(からだ)を横(よこ)にし甘睡(かんすゐ)に陷(おちい)るまでの少時間(せうじかん)彼等(かれら)は互(たがひ)に決(けつ)し難(がた)い思案(しあん)を交換(かうくわん)するのであつた。從來(これまで)も夫婦(ふうふ)の間(あひだ)は孰(いづ)れが本位(ほんゐ)であるか分(わか)らぬ程(ほど)勘次(かんじ)には決斷(けつだん)の力(ちから)が缺乏(けつばふ)して居(ゐ)た。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)