“憫然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
びんぜん44.2%
ふびん20.9%
かわいそう7.0%
あはれ7.0%
あさま2.3%
あはれさ2.3%
あわれ2.3%
かあいさう2.3%
かあひさう2.3%
かはいそ2.3%
かわいそ2.3%
かわえそう2.3%
ぼんやり2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もっとも、従来の仏教家はこの愚論にいちいち答弁して、かえって愚論に愚論の上塗りをしているのは、実に憫然びんぜんの次第に思われます。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
葛籠に記号しるしもござりませんから、只つまらないのは盲人宗悦で、娘二人はいかにも愁傷致しまして泣いて居る様子が憫然ふびんだと云って
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
新吉は此の金を持って遊び歩いてうちへ帰らぬから、自分はかえって面白いが、只憫然かわいそうなのは女房お累、次第/\に胸のほむらえ返る様になります。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
取らん事思ひもらず今云事のいつはりにもあるまじしうの爲の出來心にて盜みに來りしと正直しやうぢきに云ふ事の憫然あはれなれば此金を汝に與へん間主人しゆじん難儀なんぎすくひ妻を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
マーキュ はららごかれたにしん干物ひものといふ面附つらつきぢゃ。おゝ、にしは、にしは、てもまア憫然あさましい魚類ぎょるゐとはなられたな! こりゃ最早もうペトラークが得意とくい戀歌こひかをおものともござらう。
猶其上に道理無き呵責かしやくを受くる憫然あはれさを君は何とか見そなはす、棄恩きおん入無為にふむゐを唱へて親無し子無しの桑門さうもんに入りたる上は是非無けれども、知つては魂魄たましひを煎らるゝ思ひに夜毎の夢も安からず
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
冥途よみじつともたらし去らしめんこと思えば憫然あわれ至極なり、良馬りょうめしゅうを得ざるの悲しみ、高士世にれられざるの恨みもせんずるところはかわることなし、よしよし
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「俺の生母はゝのやうに早死わかじにしても憫然かあいさうだが、また比のおふくろのやうになツても氣の毒だ。」とムラムラと同情の念が湧いた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
くだんの馬士見付みつけて是御用だ繪符だ/\若いしうオイ/\と云ふに面々めん/\ばた/\と飛下とびおりる故九助は是サ馬士殿おろさず共いゝ憫然かあひさうな何さ惣體そうたいに根方の奴等やつらはずるいから時々とき/″\に合せて置ねへと成やせん時に旦那いそぎなら箱根を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
随分清吉の軽躁行為おつちよこちよいも一寸をかしな可い洒落か知れぬ、ハヽヽ、然し憫然かはいそに我の拳固を大分食つて吽〻うん/\苦しがつて居るばかりか、十兵衞を殺した後は何様始末が着くと我に云はれて漸く悟つたかして
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
しかし憫然かわいそに我の拳固を大分くらってうんうん苦しがって居るばかりか、十兵衛を殺した後はどう始末が着くと我に云われてようやく悟ったかして、ああ悪かった、はやり過ぎた間違ったことをした
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
音「なにそういう訳じゃアなえが、此のまア宗觀様ぐらえ憫然かわえそうな人はねえだ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大きく宿屋のしるしの入った傘をさして行く青年の後姿を、彼女は憫然ぼんやりとして見送った。
湖水と彼等 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)