“かわいそう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
可哀想37.1%
可哀相34.3%
可愛想11.4%
可愛相9.5%
愍然3.8%
憫然2.9%
可憐想1.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「川にも運命があると見えまして、あの忍川なぞは可哀想かわいそうな川でございます。あなたさまは、王子の滝ノ川をご存じでいらっしゃいましょう」
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ただ清が何かにつけて、あなたはお可哀想かわいそうだ、不仕合ふしあわせだと無暗に云うものだから、それじゃ可哀想で不仕合せなんだろうと思った。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その馬鹿がこの騒ぎを見て御前方おまえがたは何でそんなに騒ぐんだ、何年かかっても地蔵一つ動かす事が出来ないのか、可哀想かわいそうなものだ
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「まさか冗談じょうだんに貰やしません。いくら僕だってそうふわついたところばかりから出来上ってるように解釈されちゃ可哀相かわいそうだ」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「君、君、その異形いぎょうなのを空中へあらわすと、可哀相かわいそうに目を廻すよ。」と言いながら、一人が、下からまた差覗さしのぞいた。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「貸してくれってんだぜ、……きっと返すッてえに。……可哀相かわいそうじゃないか、雪女になったなりで裸で居ら。この、お稲さんに着せるんだよ。」
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
午後三重吉から返事が来た。文鳥は可愛想かわいそうな事を致しましたとあるばかりで家人うちのものが悪いとも残酷だともいっこう書いてなかった。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「東京でも所によると二尺位い積った年もあった」というたら、亭主は「へへー、それじゃ祭文語りは可愛想かわいそうでした」と大笑いをした。
白峰の麓 (新字新仮名) / 大下藤次郎(著)
しかしその丸い顔を半分かたぶけて、高い山の黒ずんで行く天辺てっぺんを妙にながめた時は、また可愛想かわいそうになった。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この宝石をあなたに捧げて……喜んで、満足して、酒を飲んで飲んで飲み抜いて死にたがっている私を可愛相かわいそうとはお思いにならないのですか……。
死後の恋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「それから例のがやられる」「気の毒な、もうやるか、可愛相かわいそうにのう」といえば、「気の毒じゃが仕方がないわ」と真黒な天井を見てうそぶく。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
レビュー式でも本当に面白いレビューならまだしも、さっぱり面白くない百景を並べたのでは全く生徒が可愛相かわいそうである。
一昨日おとといの晩忘れて行かれたそれ/\その櫛を見ても合点がてんなされ、一体は亀屋の亭主に御前の身の上あらましききて、失礼ながら愍然かわいそうな事や、わたしが神か仏ならば
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
親父が達者でいればわれが事は片時も心に忘れる気遣いのねえもんだから、親父にていしても誠におらア気の毒に思うだ、おらわれにくむじゃねえ、愍然かわいそうだと思うからわりい事は止めろや、これ堅気に成れや
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私はお前の根性が愍然かわいそうでならねえ。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
わしいもとをお前の女房にやって又生埋いきうめにされると憫然かわいそうだからと申しました。
累「坊が蚊にわれて憫然かわいそうでございますから、何卒どうかそれだけはお釣り遊ばして」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
與「ヘエ助かりませんか、憫然かわいそうにねえ、早くお母様アおよこし申す様にしましょうか」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼は団長を長椅子の上に置いた。見れば七ツか八ツくらいの男の子、毛糸で編んだ帽子をかぶり、小さいジャケツを着ているがややあおざめたいたいけな顔は可憐想かわいそうに涙に濡れている。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
『思った通りだった……ああ、可憐想かわいそうな婦人だ』と一人で呟いた。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)