落居おちい)” の例文
今は更に、千歳ちとせの命、継ぎたりと心の落居おちいたるにや、疵口を縫いつくろう折、仲々、堪えがたくて人々に笑われたりき。このとき全く日暮れたり。
玉取物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
少時しばらく思の道を絶ッてまじまじとしていてみるが、それではどうも大切な用事を仕懸けてめたようで心が落居おちいず、狼狽うろたえてまたお勢の事に立戻って悶え苦しむ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)