玉取物語たまとりものがたり
嘉永のはじめ(嘉永二年十月)のことでござった。西国のさる大藩の殿様が本国から江戸へ御帰府の途次、関の宿の近くに差懸った折、右の方のふぐりが俄に痒くなった。蕁草の刺毛で弄われるような遣瀬なさで、痒味辛味は何にたとえようもないほどであった。しば …
作品に特徴的な語句
ちょく いら 狡猾わるご きり なお あや 度々どど 弥増いやます いた 種々くさぐさ つよ 医師くすし こら むくろ 左右そう 御物おもの とまり こが 関係かかりあい かい うま 参集さんじゅう いにしえ 宝珠ほうしゅ たいら のち おん いましめ あか それがし 殿との 殿上でんじょう 生体せいたい 癩者かたい ほぞ 落居おちい はちす 蕁草いらくさ 長毛ちょうもう 附会こじつ がん つら 鰒玉ふぐりだま 一物いちもつ 下値げじき 兎脣みつくち 其許そこもと 冷々ひやひや 刺毛さしげ 割去かっきょ 労性ろうしょう 千歳ちとせ 去気さりげ から 団々だんだん 大々だいだい 大物おおもの 婆娑ばさ 宛然さながら 容易たやす 小枕こまくら 幾許いくばく あと 心気しんき もだ てい 手引てびき 押抓おしつね むし 格落かくおち 梅瘡ばいそう 流石さすが 清々すがすが 烏滸おこ 熟々つくづく かわうそ うつつ さかい やまい 秘隠ひいん 立行たちゆ 精系せいけい つい 絶死ぜっし しげ 罨方あんぽう あま うら 証跡しょうせき ことば