“弥増”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いやま58.8%
いやまさ23.5%
いやまし5.9%
いやます5.9%
つの5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ゆゑに幾日の後に待ちて又かく聞えしを、この文にもなほしるしあらずば、彼は弥増いやまかなしみの中に定めて三度みたびの筆をるなるべし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
夜に入りて雨の音しめやかに、谷川の水音弥増いやまさるを聞くに付け、世にも不思議なる身の運命、やう/\に思ひ出でられつ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
天才者たちは深い悲しみや苦しみを身に徹して味うことによって、彼らの魂を弥増いやましに高めまた浄めるという事実を私も承認する。
語られざる哲学 (新字新仮名) / 三木清(著)
双方の御手でひきちがえ掻むしっていられたことであったが、悩みは弥増いやますばかり、あたかもふぐりに火がついて乗物いっぱいに延びひろがり
玉取物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
度々面会致しては言葉を尽していささとしましたのでございますが、夫は只がぶがぶと酒を飲みますばかりで相手になりませず、妾の恐れと悲しみが弥増つのるばかりでございました折柄
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)