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弥増
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いやま
ふりがな文庫
“
弥増
(
いやま
)” の例文
故
(
ゆゑ
)
に幾日の後に待ちて又かく聞えしを、この文にもなほ
験
(
しるし
)
あらずば、彼は
弥増
(
いやま
)
す
悲
(
かなしみ
)
の中に定めて
三度
(
みたび
)
の筆を
援
(
と
)
るなるべし。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
そそ……その目的を押付けようとすればする程……その思いが募って……
弥増
(
いやま
)
して来て……もうもう一日も我慢が……で……出来なくなって来たんだ
二重心臓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
われその身の
衰行
(
おとろえゆ
)
くを知るにつけて世をいとふの念押へがたく日に日に
弥増
(
いやま
)
さり行くこそ是非なけれ。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
苦悶
(
くもん
)
はいよいよ勝るのみ、されど、
妾
(
しょう
)
強
(
あなが
)
ちにこれを忘れんことを願わず、
否
(
いな
)
昔
懐
(
なつ
)
かしの想いは、その一字に一行に苦悩と共に
弥増
(
いやま
)
すなり。懐かしや、わが苦悶の回顧。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
彼女のために心尽くしをすればするほど、彼女への恋は
弥増
(
いやま
)
してゆくばかりであった。
世界怪談名作集:16 鏡中の美女
(新字新仮名)
/
ジョージ・マクドナルド
(著)
▼ もっと見る
「粋と
云
(
い
)
はれて浮いた
同士
(
どし
)
」が「つひ
岡惚
(
おかぼれ
)
の浮気から」いつしか
恬淡洒脱
(
てんたんしゃだつ
)
の心を失って行った場合には「またいとしさが
弥増
(
いやま
)
して、深く鳴子の野暮らしい」ことを
託
(
かこ
)
たねばならない。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
私はむらむらして——然し
一時
(
いっとき
)
も早く心の平静を取り戻したいと思ふので、素早く大の字なりに倒れてしまふが、寝てみると沸々と湧く癇癪は
弥増
(
いやま
)
しにたかぶるやうで——私は騒がしく跳ね起きて
蝉:――あるミザントロープの話――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
あるときは剃刀で喉を突こうとした。これには父も持て余したばかりか、片輪の子ほど可愛さも不憫さも
弥増
(
いやま
)
して、かの奉公人ふたりと相談の上で、娘の恋しがる男を引っかついで来ることにした。
半七捕物帳:43 柳原堤の女
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その翌日の競馬はそれに
弥増
(
いやま
)
した景気でありました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
同時に若先生が家出をされた原因もわかったような気がして、若先生に対するなつかしさがたまらなく
弥増
(
いやま
)
した。
あやかしの鼓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
終日
(
ひねもす
)
灰色に打曇りて、薄日をだに
吝
(
をし
)
みて
洩
(
もら
)
さざりし空は
漸
(
やうや
)
く暮れんとして、
弥増
(
いやま
)
す寒さは
怪
(
けし
)
からず人に
逼
(
せま
)
れば、幾分の
凌
(
しの
)
ぎにもと家々の戸は例よりも早く
鎖
(
ささ
)
れて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
弥
常用漢字
中学
部首:⼸
8画
増
常用漢字
小5
部首:⼟
14画
“弥”で始まる語句
弥
弥生
弥陀
弥撒
弥次馬
弥勒
弥次
弥々
弥縫
弥蔵