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弥増
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いやまさ
ふりがな文庫
“
弥増
(
いやまさ
)” の例文
夜に入りて雨の音しめやかに、谷川の水音
弥増
(
いやまさ
)
るを聞くに付け、世にも不思議なる身の運命、やう/\に思ひ出でられつ。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
友は敵と化して、その
鋭峻
(
えいしゅん
)
なる論理を武器として彼を責めたてる。友の放つ矢は彼の心臓に当って、彼の苦悩は
弥増
(
いやまさ
)
るのみである。この時ヨブの苦悩悲愁は絶頂に達したのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
乱れた
鬢
(
びん
)
をかき直し、
泣脹
(
なきはら
)
した眼をしばたたいて、気まりわるげに、
燈火
(
あかり
)
を避けてうつ向く様子のいたいたしさも、みんな此方の短気からと後悔すれば、いよいよいとしさが
弥増
(
いやまさ
)
り
あぢさゐ
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今来し道を人に問ひ/\引返し行く程に、いつしか、あらぬ山路に迷ひ入りけむ、行けども/\人家見えず。されども香煙のなつかしさは刻々に
弥増
(
いやまさ
)
り来りて今は心も狂はむばかり。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
快感の
身顫
(
みぶるい
)
。
柔
(
やわらか
)
き接触の
弥増
(
いやまさ
)
る緩き波動。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
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毎日正午ともなれば人一人斬らでは止み難く、斬れば早や香煙に酔ひたる心地して、南蛮寺下の花畑に走り行く。心は現世の鬼畜、悪魔、外道に
弥増
(
いやまさ
)
るやらむ。身は此世ならぬ極楽夢幻の楽しみ。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
弥
常用漢字
中学
部首:⼸
8画
増
常用漢字
小5
部首:⼟
14画
“弥”で始まる語句
弥
弥生
弥陀
弥撒
弥次馬
弥勒
弥次
弥々
弥縫
弥蔵