“癩者”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
らいしゃ60.0%
かたい40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宿のあるじに聞くと、日本人の吉利支丹の癩者らいしゃが百三十人も乗っているので、入港を許可するかしないかで、むずかしい掛合になっているということであった。
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ジュリアンは身を落して渡守わたしもりになり、癩者らいしゃを渡して、偉大なる空想の天に救い上げられるのである。
夜闇よやみの庭先の忍逢いに、なんのための面甲かと理解に苦しんでいたが、癩者かたいまきというなら話は至極疏通する。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
強いて附会こじつければ、癩者かたいの膝頭とでも言うべき体裁だが、銅の色してつらつらに光りかがやく団々だんだんたる肉塊の表に、筋と血の管のあやがほどよく寄集まり、眼鼻をそなえた人のつら宛然さながらに見せている。
玉取物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)