“癩”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
らい75.0%
かったい16.7%
くず4.2%
なり4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小川さんは完全ならい療養所の先生であると私は信じている。完全な者はそう幾人もない。小川さんは日本における稀有な存在である。
小島の春:01 序 (新字新仮名) / 高野六郎(著)
おおきいのから小さいのから、その蒼白あおじろい筋のある、細ら長い、狐とも狸とも、姑獲鳥うぶめ、とも異体の知れぬ、中にも虫喰のござります葉の汚点しみは、かったいか、痘痕あばたの幽霊。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どれもこれもくずれかかった人々ばかりで人間というよりは呼吸のある泥人形であった。頭や腕に巻いている繃帯も、電光のためか、黒黄色く膿汁がしみ出ているように見えた。
いのちの初夜 (新字新仮名) / 北条民雄(著)
惚れたからは、なりでも肺病でも構わんのでなくっちゃ、妙ちゃんの相談は決してせん。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)