“一物”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いちもつ76.2%
いちぶつ16.7%
あるもの4.8%
いつもつ2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今にも思い出せそうでいて、すぐにも手が届きそうでいて、なかなか浮かび上がってこない一物いちもつを、必死になって考え出そうとした。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
おおむね、勝てば勝ったところに敵産があり、かならず腹ぐらいは満たされたものだが、いまどきは、どこへ行っても一物いちぶつすらない。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
渠は再び草の上に一物あるものを見出だせり。近づきてとくと視れば、浅葱地あさぎじに白く七宝つなぎの洗いざらしたる浴衣ゆかた片袖かたそでにぞありける。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼等はいたずらに、誰か助けてくれる人は無いかと望んだ。誰も無い、てんで、生のある一物いつもつだも目をさえぎらぬ。
暗黒星 (新字新仮名) / シモン・ニューコム(著)