“いちぶつ”の漢字の書き方と例文
語句割合
一物100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
省作はわれ自らもまた自然中の一物いちぶつに加わり、その大いなる力に同化せられ、その力の一端がわが肉体にもわが精神にも通いきて、新たなる生命にいきかえったような思いである。
隣の嫁 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
それは勿論もちろん借りた後といへども良心を持たなければならんけれど、借りざる先の良心と、借りたる後の良心とは、一物いちぶつにして一物ならずだよ。武士のたましひ商人あきんど根性とは元これ一物なのだ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かつそれ烟管キセル・喜世留、硝子ガラス・玻璃、莫大小メリヤス・目利安、不二山ふじさん・冨士山のたぐい一物いちぶつ字をことにし、長谷はせ愛宕あたご飛鳥あすか日下くさか不入斗いりおまず九十九つくものごとく、別に字書を作るにあらざれば知るべからず。
平仮名の説 (新字新仮名) / 清水卯三郎(著)