“無一物”の読み方と例文
読み方割合
むいちぶつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
捕われた猟師? は手に無一物むいちぶつで、しかも両手は後方うしろに廻されている。けれど捕えられた間際には余程抵抗したものと見えて、地上に折れたままの鉄砲が投げ捨てられてあった。
捕われ人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
だがその時代は、学生生活はたいへん苦しいときであったうえに、雨谷君の実家は大水おおみずのために家屋かおく家財かざいごと流され、ほとんど、無一物むいちぶつにひとしいあわれな状態になっていた。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ろうしよくのぞむは人情にんじやうつねなるかも、ひやくいたればせんをとねがせんにいたればまたまんをと諸願しよぐわんやすときなければこゝろつねやすからず、つら/\おもへば無一物むいちぶつほど氣樂きらくなるはあらざるべし
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)